>キュルル「こんな とてつもないこと いったい 誰が どうやって……?」
時渡りの設定がどんどんガバガバになっていくw
初めは王族のメレアーデや健壮なファラスでも時渡りでまいっていたのに、病弱なプクラスでも飛べるようになり、今回はただの一般市民が時渡りをした直後から平然と何事も無かったかのように動き回っています。
ウルタ皇女もジャクバ国王に会えるのでは……?
>キュルル「もし しくじったら ただ キュロノスを 復活させただけってことに なりかねないキュ……。」
復活したらまた倒してやるから安心していい。
と言うか、「ボス戦でも負けても敗北を無かったことにして、しかも敗北を糧にした対策を施して帰ってくる」のは主人公が持つ特権だっただけで、それをキュロノスが使っても驚いてはいけない。自分に出来る事を相手は出来ないと思い込むのは固定観念だ。
>キュルル「キミは……ボクの友だちキュ。友だちのために やれることがあるってのは ちょっと 誇らしい気分キュ……。」
良いこと言うな! それはまさにその通り。
「キュレクスは ボクの親みたいだった。キミは……」のような前置きのセリフがあれば、もっと映えるセリフになると思いました。
>メレアーデ「よかった……本当に良かった。私 エテーネを救えたんだわ。」
現エテーネ島を回避した海上に古エテーネ島を時渡りさせ、エテーネを島ごと救うメレアーデ。
安定した時代ならどこでも良かったはずなのに、現代を選択したメレアーデ。
普通に大エテーネ島を現代に飛ばせば、古エテーネ島で見たリンジャハル都市との位置関係から、現エテーネ島を潰して大エテーネ島が設置されるはずなのに、現エテーネ島を潰さない位置に時空位置軸をずらすという大技を使ったメレアーデ。
すべては猫屋敷と、古エテーネ王国を両立させるために……! そりゃ白髪にもなりますわ……。
■総評
Ver.4 のストーリーはアストルティアが破滅を迎える未来を時渡りの秘術を駆使して変えていく、という大胆な設定なのだが、この前提となる「破滅を迎える未来」の描写・表現が少なく、変えなきゃ!と言う思いになかなかならない。これが Ver.4.1~4.4 の中だるみになっていた。
とくに Ver.4.4 においてアストルティアの滅びについての記述が薄い。物語に厚みを出すサブストーリーをやっても印象は変わらなかった。滅んだという記述は頻繁にあっても、滅びを迎えるシーンについての言及は何も無いのだ。自分(主人公)の知る人たちがどんな状況で、どのように抵抗して、奮戦むなしく死んでいったのか。勇者アンルシアはどうしたのか。グランゼドーラの四賢者は何も出来なかったのか。メルー公はディオーレを守れなかったのか。アストルティアの神々も眷属もただ傍観していただけなのか。
主人公と同じく時渡りをしている兄弟は滅びの未来に対して何の焦りもしていない。これまでの冒険で知り合ったたくさんの人たちのことが何も分からない。
そして、滅びを迎えるのに、キュロノスは一体何が不満なのか。時空を自在に超えられる存在であるキュロノスにとって、アストルティアが5000年前(古エテーネ時代)に滅びようが、現代で滅びようが、1000年後(アルウェーン時代)に滅びようが、何も関係ないはずなのだ。
悪役の行動原理が意味不明なので、「こいつは絶対倒さなきゃなんねぇ」と言う気にならない。ネルゲルやゼルドラドに感じた悪役の覇気も感じられなかった。(マデサゴーラやナドラガにも感じなかったけど……)
ただ、主人公の行動は特に違和感が無く(前述のようにNPCの行動や言動には意味不明な所はある)、ちゃんと主人公に感情移入出来る所はとても評価して良いと思う。Ver.3 の最後の最後(Ver.3.5)で意味不明な行動ばかりとって、主人公に感情移入できなかったストーリーとは大違いの印象になった。ちゃんとRPGできた。
時を止めてしまうキュロノスを打倒するにはそれを感知できるキュルルが必要で、エンディングの因果律操作にはキュロノスが必要になる、という辺りもうーんと唸ってしまう見事な配役。
配役と言えば、Ver.4 で知り合ったキャラクターたちの数多の犠牲の上にこのエンディングは成り立っている。パドレや兄弟は消息不明、クオードやファラスはもう帰ってこない。ただ、Ver.4 ストーリーにおける諸悪の根源は人間種族(主にエテーネ王家)なので王家ゆかりの人物は全滅しても仕方ないだろう。むしろ因果応報に則った自然な結末とも思う。結果的にはキュレクス、キュルル、キュロノスといった異界人側も全滅しているので痛み分けだ。まぁ、メレアーデ with 猫屋敷は健在だけど……。