さて、DQ10もWii版終了からはや一週間が経過しようとしている。実は、Ver4でWii版をカットしたのはとても大きな意味があったのだが、これについては別の日誌で紹介しているので(http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/398950711236/view/4936753/)、今回は懐かしいWiiの名残がどんなところに残ってるか調べてみた。
DQ10のグラフィックレベルといえば、当初は「DQ8とほぼ同じ」と言われていた。それもそのはず、Wiiのグラフィック性能はPS2とほぼ同じなのだ。(実際はWiiの方が描画CG数は多いが、PS2はメモリにデータを転送する速度が異常に速かったためほぼ同じとみられる)
写真はツスクル平野。Wii版当初から存在していたマップなので名残が大きく残っている。さて、それは何だかわかるだろうか?
…それはズバリ、平野そのものである。( ゚д゚)ナンノコトダッテ?
どういうことかというと、マップがだだっ広いのだ。
オンラインゲームの特性上メモリを食ってしまうので、同じWiiのRPGであるゼノブレイドのような地形の種類が豊富なフィールドにはできなかったそうだ。
また、フィールド上に設置されているオブジェクト数も非常に少ない。初期のDQ10が「マラソンクエスト」と揶揄されていたのも理解できる。
さて時は流れて2013年12月。DQ10にもWii UやPC等新しい風が吹き込まれ、HD画質にも対応してきた頃、Ver2のパッケージが発売された。
運営も開発に手慣れて来たのかVer1に比べて非常に探索のし甲斐があるフィールドになった。これはWii版のメモリ消費量をガチガチに抑えて(同じオブジェクトを使いまわしたりする)、使用できるCG数を増やしたことが理由。
しかしこの頃からWii版の「限界」が見え始めたのも事実。フィールドの時点でガチガチでは、新しいコンテンツをフィールド上に設置するのが厳しいことにもなる。その証拠に、Ver2のフィールドで実装されたイベントは非常に少ない。写真はローヌ樹林帯
Wiiも苦しみながらなんとかサービスを続け2015年4月、Ver3が発売された。ここについてはとにかく開発に苦労したらしく、マップデータとしてWiiにかかる負担を違和感なく落とすことが最優先課題だった模様。
が!敵を配置しすぎてWiiがフリーズ。敵シンボルの動きはサーバーが処理しているのだが、シンボルが原因でWiiの描画限界を超えてしまったのが原因だそうだ。
さて、Wiiが頑張って作り上げて来たマップはここまで。実はこれらのマップには「動く物体が一切ない」という致命的な欠陥があったのだ。(水などの流動的なものはCGではなくテクスチャで処理している)
そこで、Ver4のマップを見てみよう。
…いかにも複雑そうだ。実はここには王都キィンベルのローター?や屋根の物体など動くものが多量に存在している上、マップ自体が広いので単純にメモリにため込むデータも多い(広いだけなら前に「グランゼドーラ」があったが、こちらはどう見ても家の構造が複雑)。
そう、これがWii版カットの一つの理由なのだ。
…新しい世界を作り上げるためには、古いものを捨てなければならない。
でも、それでもWiiの名残は残り続ける。なぜならこれまでもこれからもグラフィックエンジンはWiiのものを使っていくからだ。
どんなに進化しても、「DQ10」は「DQ10」であり続ける。