※この日誌はフレンドのガスパール君と5/1に行った「自キャラの設定に沿ってロールプレイ(つまりは即興劇)しながらアストルティアを散歩する」二人企画を小説風にまとめたものです。
※出来るだけチャットの台詞をそのまま再現するようにしましたが、尺などの都合で編集している部分もあります。
※色々と生暖かく見守る必要があります(主に僕を)。
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――誰もいない広い厨房で、半ば無心にフライパンを振るう。
【Bistro de Gaspard】。僕はここで定期的にシェフとして働かせてもらっている。今でこそ人けのない空間だが、自分の小さな店とは違ってお客も従業員も多く、いつも賑わっていていい刺激になるのである。
程なく、店の主が帰還した。
「おかえり。キッチン使わせてもらってるよ」
一声かけて仕上げに入る。完成したのは三ツ星クラスのバトルステーキだ。
「……片付けといてね」
またステーキ★3か…と複雑な顔で見つめてくる彼こそがこの店のオーナーシェフ、ガスパールである。
年が近いので友人のように接しているが、一応は上司にあたる存在だ。
何事にも物怖じすることなく、いつも突然のひらめきでスタッフ達を振り回しては巻き込んでいく。
小心者の僕とは真逆の性格と言っていい。
多くのものに恵まれた彼をいつものように信頼半分、憧れ半分…そして少しだけ妬ましさを込めた瞳で一瞥した。
さて、なぜここで待ち合わせたかというと、今日は二人連れ立って散歩に出かける予定だったからだ。行き先は特に決めていない。お弁当としてかいしんバーガーを作り(さっさと食べられるものが僕の好物だ)、とりあえずグレンの町に出て駅へと向かった。
『チームに興味はありませんか?現在メンバー○○名……』
『少人数ですが、お試しからでも……』
「混んでるなー」
「人混み苦手なんだよなぁ」
「わからんでもない。どこ行くかな……。あ、猫島行こう」
得意の思いつきだろうか、行き先が決まったようだ。
僕等は早速、ジュレット行の大地の箱舟に乗ったのだった。
(続)