夜は静かなので、物音がよく聞こえます。お隣さんのTVの音声、虫の鳴き声、道路を走る車の音、日中と違い涼しくなるせいか、どの音も心地よく聞こえます。
しかし、中には気になる音もあります。学生の頃は2階に部屋がありました。よく夜更かししていましたが、1:00~3:00の間にたまに階段を昇り降りする足音が聞こえました。古い家なので、風できしんでいるのかと思いましたが、ハッキリとトントントンと足音がするのです。もしかして泥棒、幽霊?
ある時、階段を上る足音が少し怖くなって息をひそめていると、部屋のドアを誰かが開けようとするのです。カサカサ、ドンドン。
心臓が止まる気がしました、近くに武器になるものを探しました。
丸めたポスターしかなかったのですが、とりあえず意を決して部屋の電気を付けドアを開けました。
誰もいません・・・・・! 背筋が凍りつきました。
翌朝、家族で話をするとそんな時間誰も起きていないとの事。
とその時、
「ミャーン。」 当時飼っていた、雌猫のミケがすり寄ってきました。
ああ、この子か。ひと安心。
その後、この子はいなくなりましたが、階段を上る足音は今でも時々聞こえるのです。
一人でいると誰かが家にいるような気がします。
少し、涼しくなりましたか?