ある日、彼女に一通のDMが匿名で届きました。
内容を要約すると
■ポエム作成を代行させてほしい
■応募には必ず渡したポエムを使うこと
■ポエム使用に伴う被害などについては自己責任
■ポエム代行については他言無用
素性の知れない相手のポエムを受け取るなど普段のカエ・ルーさんなら
まず手を出したりなどはしなかったでしょう。
しかしこのときの彼女には迫る応募〆切への焦りがありました。
応募を諦めることも考え始めていた彼女は
この話に一も二もなく飛び付いてしまいました。
……届けられたポエムは背筋がゾクゾクするほどの出来栄えで、
彼女本人による美しい写真と相まって見事プリンセスの栄冠を手にします。
幸福の極致にいたカエ・ルーさんでした。が、幸せの時間は長くは続きませんでした。
喜びを噛み締める彼女を襲ったのはフレンドや周囲の人たちからのニヤニヤ顔。
先のポエムを引用した定型文もにわかに流行り出しています。
(『花がニコニコ☆良い天気!』、『ケロケロッ!』など)
そして彼女が何よりも衝撃を受けたのは受賞者の“ゆうたの”出演でした。
当初の告知通り、漫画『ゆうべはお楽しみでしたね』に各受賞者が登場するという
サービス満点のコラボ企画が実施されましたが、
そこにキャラクターとして登場したカエ・ルーさんがなんとセリフでポエムを完全詠唱。
私たちのニヤケ顔を不変のものへと変えてしまうのでした。
長い回想と独白が終わり静寂に包まれるメイアの部屋。
聴衆たちからは、
『あのような可愛らしいポエムが常人に書けるわけがない』
『やっぱりカエ・ルーさんはおかしくなんてなってなかった』
と安堵の声が聞こえます。
途中で何度も涙を堪えながらも健気に語り切ったカエ・ルーさんに
大きな拍手が送られました。
今にして思えば、突然おかしな発言をしてしまうドワ子というのは
これまでも散見されてきました。
例えばイベント中はずっと借りてきた猫のように大人しかったはずが、
このメイアの部屋終了後になっていきなり
『昨日このくらいのう○ちした!』
と複数回に渡って叫んだ挙句まったくウケていなかったドワ子や、
チャットで不自然な誤字を繰り返してしまうドワ子など。
彼女たちもまたカエ・ルーさんと同様に複雑な事情を抱えているのかもしれません。
今夜はメイアさんと共にポエム界の闇についてお話してきました。
明日のケローズアップ現代は四アカウントを駆使して一人で行うすごろく、
“ヒトすご”が起きてしまったという凄惨な事件について、
現地からのリポートと合わせてお伝えします。
では今夜はこの辺でお別れです。
※ポエム代行のくだりはフィクションです!
例のポエムはカエ・ルーさん本人による作品で間違いないでしょう
★あとがき?
久々に見に行かせてもらったメイアの部屋でしたが、
内容と規模がグレードアップしてすごいイベントになってました。
前身の“プレイベの小箱”に比べると扱う話題の幅が広くなってますね。
日誌フェスがティアフェスに生まれ変わる?みたいに
メイアさんは手広くやっていく方向なのかな。
大変そうだけど……がんばってください!