ふ………と、見渡せば
極寒の荒野をただ独り
指先の感覚はとうに無く
動くものは震える己の体のみ
やわらがぬ寒さに耐えかねて
暖を求め、あてもなくさまよい続け
ようやく見つけた灯火に心奪われ
我を忘れて掴みかかる
愚かにも、自らの手で灯火を絶やしたのだ
我に返るが時すでに遅く
確かにあったぬくもりを確かめるべく
そっ……っと掌を見るが
両の手に残るものは、もはや何もなく
我がおこないの愚かさを、ただただ呪い
とめどなく溢れでる涙に四肢は濡れ、凍てつき
もはや再びさまようことすら
できぬ姿となりはてる