晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛そう。
楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところを楽しもう。
私の名はあずきあらい。
空を見上げて物想いにふける自称サソリの教官の私にも一目置く人物が存在する。
じんじん。
まるで時代を逆行するかのように、四六時中、昼夜問わずに働く男。謂わばミスターコンビニエンス。サソリ請負人じんじんは今日も青ピンを立てて聖廟に降り立つ。
「次のサソリがあるので…」
さらっと発せられるがよく考えると末恐ろしい言葉。
私は想像する…
次の、があれば、
当然に明日の、もあるだろう。
もしかしたら食後のとか、お風呂上がりのや、寝る前の、もあるのではないかと…。
居酒屋気分で駆け付け一杯とりあえずの、もときにはあるやもしれない。
凄まじい…。サソリ界のカタストロフィーだ。
そう考えると次の、くらいは確かに大したことが無い。至極まともに聞こえるのだ。さらっと言えて当然である。
じんじん、世界には君以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。
その道はどこに行き着くのか、問うてはならない。ひたすら進め。ひたすらに。
今宵も、我々一門は助けを求めるかもしれない。
その時はどうか予約の取れない歯医者さんのように、合間合間でなんとか入れてはくれないだろうか。
そんな事を危惧しながら梅雨空を眺めるのであった。
この日記は下記の作品のスピンオフ企画となっております。是非本編をお楽しみください。https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/75089955499/view/6300726/