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断罪者の断罪者

あずきあらい

[あずきあらい]

キャラID
: NN738-244
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 旅芸人
レベル
: 132

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写真コンテスト

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あずきあらいの冒険日誌

2020-08-07 22:36:59.0 2020-08-08 16:47:01.0テーマ:モンスター・ボス討伐

我思ふ、終

満足感は結果にではなく、過程にこそある。
私の名はあずきあらい、自称サソリの教官である。
8月2日。その節目の日には多くの冒険者達が祝いの花火を打ち上げると言う。向く方向は其々違えどこの世界を想う気持ちは同じ。共に一同に介し願うその日、その時はとても大きな意味がある。その大切な瞬間を逃してはならない。否、逃すべきではない。
と私は思ふ。
と私は思った。
本日8月3日に私は思ったのだ。
本当にすまないと思う。
一日遅れでも良い、昼間でも良い、最早一同に介さなくても良い、前言撤回しながら私はジュレットへ向かった。たった一人でもこの世界を想い花火をあげようと。
ただもしかしたら、もしかしたら私のような奇特なうっかりさんが一人くらいいるかも…一縷の望みを持って高台へと走る。しかしそこにいたのは昨日の盛大なの祭りの事を教えてくれた一門のおゆことおたこだけであった。
良いのだ、人数ではない、気持ちが大切なのだ。
私は昨日の金色のドラキーの如く、「せーの」と、言ってもらうようおたこにお願いをした。雰囲気もまた大事な要素だと思えたからだ。
「せ^の」誤字を交えたおたこの白チャットの後に、大きな花火が上がる。
一発だけ。
観客は二人。
やり場の無い空気感に居た堪れなくなったおゆこの「おめでとう」がやるせない。
「せ^の」追い打ちの2発目を打ち上げる。笑顔のドラキーが高く靑空に描かれた。
しかし高台に笑顔は無い。
「きれいだね」おゆこはフォローの職人だった。フォロー見習いではない。
しんとした空気の中で私は締めのクラッカーを鳴らした。紙吹雪は桜が散るが如く、しんみりとそして静かに地面に落ちる。
「;;」フォロー職人おゆこも涙するしかなかった。
こうして私は世の中には線香花火よりも切ない打ち上げ花火がある事を学んだのだ。
今日は金色ドラキーは話してくれない。
「これにて本日のイベントは終了です」私は金色のドラキーを模して8周年を締め括ったのだった。

私は思ふ、
背中に傷無し、ブラッドを正面から受ける女どんぐりは今日も又葉っぱを握り締めてサソリに立ち向かうだろう。
令和の時代の侍、真の漢ライバツクは今日も又己の非を完全に認めて、ましょくで混乱するだろう。
朝のサソリ、昼のサソリ、3時のサソリ、夜のサソリ、じんじんは今日も又掛け持ちで聖廟を駆け回るだろう。
毒と即死は付けただろうか、私のガジェットは家に置き忘れてないだろうか、刃砕きを覚えている戦士だろうか、おゆこは今日も又ピカピカの一年生を心配する父親の気持ちにさせてくれるだろう。
ふんふんー♪と鼻歌混じりに糞を蒔くイツセさんは今日も又「がんばってライちゃん」と空を見上げるだろう。
ゾーンに入ったのでもう当たらないフラグを立てるおたこは確実に当たり、今日も又30分で2、3枚のステーキを食べるだろう。
私達はサソリに向かう蟷螂の斧かもしれない。
けれどもそれで良いのだ。
私の宝はそこにある。
サソリも花火も同じだ。
私達は限りあるこの世界の中で生きている。限りある時間の中で捧げあう情熱を、共に思える瞬間を、この限りある時間の中で共有できる事がひどく愛おしく思えるのだ。

私は庭に出てひとつ残った花火を打ち上げた、大空には嬉しそうなドラキーの顔が描かれる。

「ありがとう」

そんな声が聴こえた気がした。

そして私は安い紅花で染めたマスクを付け聖廟へ飛立つのだった。 


この日記は下記の作品のスピンオフ企画となっております。是非本編をお楽しみくださいhttps://hiroba.dqx.jp/sc/diary/75089955499/view/6300726/
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