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ベサワキ専属護衛神官

りゅうせき

[りゅうせき]

キャラID
: ZF978-766
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 戦士
レベル
: 107

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りゅうせきの冒険日誌

2020-02-15 21:31:02.0 テーマ:その他

そして匣は沈黙を破る⑥

※本件、Ver4.0およびそれ以前のネタバレを含む可能性があります。
 閲覧の際はご注意ください。







りゅうせき 「…む」

シンイ   『目を覚まされましたね』

ピコン   『大丈夫なの?』


気が付くと、先程まで戦っていたたくさんの人達が

私を心配そうに見ていた。

回らない頭を無理やり働かせ、私は口を開いた。


り 「…冷静に考えると私が大丈夫なのはおかしいと思うのだが
   関節が固まっている以外は、無事だ」

ピ 『関節?』

り 「うむ、指一本動かぬ」


全身の関節が、ガチガチに固まっていた。

ギリギリ喋れるが、顎も例外ではない。


シ 『全身骨折を無理やり治療したようですね。いったい誰が…?』

り 「その辺は後で整理しよう」


コミュニケーションウィンドウで日時を確認した私は、議論を遮った。

今する話ではないと直感的に思ったのと

何より今、私自身がそれどころではないことに気付いた。


り 「リハビリしつつ現状確認が先だ。んで、その前にまず…」








「…パンツを調達したいと思うのだが、どなたか
 ご協力いただけないだろうか?」







――――――私の装備はどうやら

パンツ諸共消し飛んでしまったようだ。


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エテーネ王宮動力炉を誤爆してしまった我々は

何がどうなったのか、キィンベルの北

ティプローネ高地の一角に倒れていたという。


最後の戦いにてリーダー格だった看守のカートによると

負傷兵や一般民は転送装置の再起動を終えた段階で

既にキィンベルへの避難を終えており

王宮に残っていたのはあの場にいた者たちだけだったという。

負傷はそこそこあったものの、国王以外は生存が確認された。

り 「王様はいくえ不明なのか」

カ 『陛下だけがどうにかなったとは考えにくいが…』


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暫くすると、キィンベルから王国軍の伝令が駆け込んできた。

―――パンツを握りしめて。


話によれば、ティプローネ高地へ降下していった筈の王宮が

王国軍区画ギリギリの高度に出現し

中から国王が現れて、威厳のある声でこう言ったという。


『・ティプローネ高地D-4地点に負傷者がいるので救助すること
  ⇒それにあたり、パンツを一枚持参すること

 ・流赤の公然自爆罪は現実となってしまったが
  余にも原因があるのと、一応全員無事なので不問とする

 ・余はこれから王宮とともに暫く留守にする
  ⇒現状の指針書を参考に、皆今を大切に生きること』


ピ 「箇条書きだったの?」

* 『あぁ、それはもう見事なまでに。陛下はそう言い残すと
   王宮ごとどこかへ消えてしまった。
   …ところで流赤さんよ、履きにくいのだったら
   私が履かせてやろうか?』

り 「皆いる場所で赤ちゃんプレイとかNo thank you.
   というかおまいさん、それ言うためだけにこの役買っただろ」

まだ硬さの残る関節を無理やり曲げ

私は半ば強引にパンツをはいた。







――――目の前でニヤニヤしている伝令は

かつて私にパンツを破壊された、黒服軍帽のベルマさんだった。


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そこから半日ほど歩いて、夕刻にはキィンベルに到着した。


途中何度か魔物に追い回されたが

返って体を動かす機会が増え、到着するころには

関節も大分動くようになった。


キィンベルの町は、国王のフォローがあったおかげか

騒動の後を感じさせない、いつもの穏やかな空気にあった。


到着後に門番から直近の情報が共有された。

国王が去ったあと、王国軍区画へ避難していた王家の人間が

国王を追って姿を消したという。

国政は暫くの間、王家家臣と王国軍に委ねられることとなった。


シ 『急な話な上に事情がよく呑み込めませんね』

り 「その辺、何かわかることがあるかもしれないぞ」

シ 『…と、いうと?』








り 「…私の知らない間に日誌の更新があってな」









ピ 『パンイチで真顔になってないで、さっさと宿とるわよ』

り 「…締まらんのぅ」






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