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英雄の魔女

リンドウ

[リンドウ]

キャラID
: HS978-681
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 121

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リンドウの冒険日誌

2020-06-06 21:00:10.0 テーマ:その他

【過去編】第5話『もしも光を越えたなら②』


リンドウとアザミの会敵。ヴェリナード軍の介入。艦砲射撃による追い込み。予定外のアザミの覚醒。
アザミ討伐の作戦決行から、既に三時間が経過していた。暗闇に包まれていた大山林一帯の空も徐々に色を取り戻し始めており、月は沈み、星々が隠れ始める。
他者の一切の介入を拒絶する超強力な重力空間が発生されてから、ヴェリナード軍にほぼ取れる術は無くなっていた。辛うじてできる事と言えば遠方から二人の戦闘経過を見守るくらいだ。

突如、一軒家ほどはある巨大な土塊が六つに割れた。いや、アザミのギロチンワイヤーによって瞬時に細切れにされた。
再覚醒を経てからのアザミの猛攻は、最早この世の人間とは思えぬほどの威力を発揮し続けていた。拒絶の重力空間も、ワイヤーを操る技術も桁違いで、しかも専門の土属性の魔術を封じられて、なお人外じみた戦闘能力を醸し出している。
しかしそれ以上に驚くべきは、リンドウの奮戦だった。あれほどの重力空間の魔術すら魔法耐性によってほぼ無効化し、持ち前の飛行能力だけでアザミの無重力空間を乗りこなし、猛攻を回避し捌き切っている。
一見すれば押しているのはアザミだが、覚醒後も魔力リソースによる差は相変わらず雲泥で、魔力切れを意識し焦るアザミをリンドウがほぼ看破し切っている状態だ。逆に言えば、このアザミにもし無限の魔力など明け渡せばどうなるかなど、想像もしたくないだろうが。

それは戦闘中の二人にも既知の事実だ。覚醒後から、アザミの全身には血の走る血管が浮き出ているようにも見えており、何かしらのドーピングに近い荒業をアザミは行っていた。
再覚醒の魔術と悪意の魔力の再利用とはいえ、一度は死の寸前まで追い詰められ力尽きた肉体だ。アザミが劣勢なのは変わっていない。

細切れにした土砂を避け切り、互いに空中に放り出された別の足場へと着地する。

「…何故。何故、ヴェリナードの味方をするの、リンドウ。」
「話す必要はねえな。」

意外にも、珍しくアザミから投げかけられた問いを、リンドウはばっさりと切り捨てる。

「…仮に、私は魔女を裏切った訳じゃない…っつても、お前は信じないだろうな。」
「信じるも信じないもないさ。どうでもいいんだ、そんなことは。」

アザミの敵視の目は変わらず、リンドウを睨みつける。元より目に映る世界の全てを敵としたのだ。
一方、リンドウの瞳は敵視以外の混ざり物が多かった。同情、憐憫、悲哀、怒り、嫌悪、困惑。
だが、もっとも大きい不純物は…。

「けれど…一つだけ聞いておきたい。リンドウ…自分のマスターの遺言書、あなたは知らないの?」
「遺言書?一体何の…。」

ギイン!
鈍い金属音が響く。アザミのワイヤーがリンドウの鉱石の装甲に弾かれた音だった。風を斬る鋭さは、防御が出来ていなければ完全にリンドウの首を刎ねていただろう。

「思わせぶりな発言で意識外させてこれ、か。役者になったじゃねーの、アザミ。三文芝居だけどな。」

だが、騙し合いと心理戦で一枚も二枚も先を行くリンドウに、ブラフで勝負を挑んだ時点でここはアザミの負けだった。相手の土俵際を見誤るほど、それほどまでに焦っている証拠だった。
そして、真剣勝負に於いてその隙を見逃すほど、リンドウは甘くなかった。いつの間にか、メキメキとリンドウの右腕を軸に形成されていくアメジストが膨れ上がり、それは巨腕となって構えられた。

「お前は近接戦なら勝てると思ってるんだろ?アザミ!それが自惚れなんだよ。このリンドウが、何の対策もしてないワケねえだろうが…!」

ドッ!
今までにないほど速く、そして深い踏み込みでリンドウが先に動く。今まで近接戦を避けてきたリンドウの動きの中で初めての挙動であり、それは確実にアザミの意表を突いた。一瞬で距離を詰められ、巨腕がアザミの懐を突き上げる…はずだった。

「…っ!」

アザミはそのリンドウの動きに反応していた。間一髪、それこそ髪の毛を掠めるほどの紙一重で、アザミは直撃を免れていた。それだけではない。同時にカウンターとしてワイヤーがアメジストの腕を切り刻んでおり、リンドウも間一髪自身の腕を切られる事を回避していた。
偶然ではない。予見していたわけでもない。彼女達はごく普通に、それらを対処し捌いていた。

当然、ただの一度の接触でせめぎ合いが終わる筈がない。今の手が駄目なら次の手を、その次の手を、そのまた次の手を。豊富な知識、用意周到な手数、それらを可能にする運動量と魔力。全てを総動員して、二人は熾烈な攻防を繰り広げ続ける。まさしく、互角の戦いと呼べるだった。
だが、本人たちは互いに互いを困惑の目で見ていた。予想を超えていた。

(アザミ、テメー…!)
(リンドウ、なぜ…!)
((何故、この速さについてこれる!?))
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