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英雄の魔女

リンドウ

[リンドウ]

キャラID
: HS978-681
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 123

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リンドウの冒険日誌

2020-06-10 23:01:04.0 テーマ:その他

【過去編】第5話『もしも光を越えたなら③』


本来、このような互角の戦いになる事は予想していなかった。
なぜならリンドウには、ほぼ一発で決着をつけられる相当の自信があった。
魔法ではなく、数々の戦いで磨いてきた、相手の意表を突く近接戦闘。仕込みのブラフも合わせ、本職でないとは言え、多数のフェイントに加え「この速さ」と組み合わせれば、まず素人には回避できない。

そしてそれはアザミも全く同じであった。
リンドウが何の対策もしてこないはずがない。それは分かっていた。
だが、どんな小細工をしてこようとも、圧倒的な「この速さ」を以てすれば瞬殺など造作もない…はずだった。

両者の速度はほぼ互角。決闘の為に二人が選んだ武器は、偶然か必然か、同じモノだった。
この時点で、両者の戦術の大前提は覆される事となる。

人間の四股の反応速度の限界は、おおよそ0.1秒と言われている。
これは単純に、人の神経伝達の類が細胞を通じてしか行えない事に帰結する。もう少し言うと、人体の中の電気信号は早いが、情報の電気信号を化学物質に置き換えてからが絶望的に遅いのだ。隣の駅に行くのに反対方向から50駅分くらい回り道して行くくらい遅い。
電流に乗せ、光速で運ぶ情報通信は全て電気で行っているので非常に速いが、人体の中はこの過程があるせいで情報伝達は光の300万分の1、音の3分の1である。
人の想いは音速を超えない。声に出した言葉にいくら想いを乗せようと、先に伝わるのは言葉の刃の切っ先だけなのだ。
電気信号の速さは僅か120m/s。仮に、人類の腕の長さが120メートルだったとしたら、指先の反応速度の限界は脳の処理を考慮しない場合でも1秒程度だ。
ちなみに、小指見てから昇竜余裕は本人が否定している。無理に決まってるじゃん。

しかし、この二人は明らかにその限界を超えていた。
それは、人体を通さなければ人の電気信号はより速い速度で伝達が可能である、という理論を元に半ば強引に実現させていたのである。

神経伝達バイパス。本来は脳の損傷などで正常に電気信号を伝達できない生物に、人体を経由せず四股を動かせるようになる技術。
リンドウは電気信号を魔法により細胞を経由せず、自分の全身に中空から伝達する事によって。
そしてアザミは、魔女の肉体への依存度の軽さを利用し、メタルケーブルを直接皮下に埋め込む事により、伝達時間を限りなくゼロに近づけていた。

元々、判断力、機動力に優れた二人であったから…この二人の戦闘速度は。

「おいおい、マジかよ…これに当てろってか?」
「お前狙える?」
「無茶言うな。メルー公じゃないんだぞ。」

アーベルク達魔法戦士団が、アザミの狙撃を諦めるほどには十分な光景だった。
魔法を使うたび消耗し、その魔力の残りカスの魔力は空中に霧散していく…が、あまりにも激しく連続的な魔法の連打は、搾りカスが消滅するよりも圧倒的に速く、まるで美しい天の川のように光の帯を描き、尾を引いて二人の戦闘の後を追っていた。

そもそも魔法戦士団は、総指揮官のロスウィードから私掠船へは乗艦せず、大山林の中でアザミを仕留めるための手として別行動を取っていた。
ザバ系の水呪文を元に、魔女を討つための専用の特技技として昇華した、水鉄砲を100倍強化したような狙撃技。魔法ではないので魔女を討つ有効打になる筈だったのだ。

「これどうします、ユナティさん?」
「言った通り、これほど速くては誰も手など出せない…が、長く続くとも思えない。すぐにどちらかが落ちるさ。」

そう。誰の目にも明らかなほど、アザミもリンドウも、明らかに魔法を使い過ぎていた。
極大呪文を連続で出し続けるような無茶の連続。それを戦闘の中で読み合いまで行っていては、消耗度も桁違いだ。

「二人の動きが鈍るまで、魔法戦士団は現地で追従する。速度が落ち始めてきたらすぐにフォローに突っ込みます!但し、それをアザミも警戒しているはず!十二分に注意を!」

魔女達の戦いでアザミが落ちればそれで良し。もしリンドウが負ける、不利になった場合は魔法戦士団が援護しトドメを指す。最終的に魔女アザミを取り逃がす事だけは絶対に避けねばならない。

「?ちょっと…聞いてるの、ミャジ?」

だがそんな目まぐるしい戦局の中にあっても、ミャジは思わず少しの間、一切を頭の中から抜け落としてしまっていた。

「え?あ、ああ…すみません。あまりにも…綺麗だったもので。」

するべきことは分かっていた。だがそれでも、多くの魔法戦士団達は、ただ黙って朝焼けに染まろうとする空を眺めている者も多かった。
それほどまでに、彼女達の魔法は美しかった。星が、光が、神秘が、魔法が、ウェナ諸島の天を鮮やかに染めていた。
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