エレン・キラの冒険日誌

その絵本とは違い、私は 誰かの心配をして、
誰かの助けになりたくて、そう思って行動していた。とうとう 魔物さんや、勇者姫様や、英雄さんと、
大事なお友達になれた。

私エレンは、絵本作家の反逆者になったのだ。 

だから私は、家の中だけは、
絵本に出てくるもうひとりの
悪女の少女に苦しめられた悲劇の少女の名前を、
私の本来でもあるその名前を、
ユズちゃんに呼んでもらう事にしたのだった。

絶対この世界で誰にもこの名前になんてさせない。
それが本当の名前なのは私だけで良い。

誰かを消させて幸せになる現実の物語なんて
私、創らせない。

悲劇の少女の身体に私が成り変わって、
違う悪女少女エレンになって
何でも変えてやると思った。

死神からも、悪魔からも 理解されない。
私、仲間の幸運を祈る 白い悪魔。

ユズちゃんは、私に言った。
自分は修道院で修行していた時から、
小さな少女を自分の力で素敵なお嬢様に育てる
マリア様になりたかったんだと。
お自分が嬢様だったのに無謀な夢だったと。

白い悪魔は、可愛い服を着て、
メイドさんを安心させられる
れっきとしたお嬢様にもなる。

だから可愛い姿は維持してやるの。

エレン「私、そろそろ行きます。」
私は笑って言った。
ユズ「行ってらっしゃいませ…＿様。」
エレン「行ってきます。ユズちゃん。」