2019-03-15 06:45:48.0 テーマ:その他
『ぶよの事件簿』目が覚めたら~シリーズ、エピソード,1
①あれは今から20年程前、私が30を過ぎたばかりの頃の話。
その日、目が覚めると私は叔父の家にいた。その頃の私は、記憶は無いが目が覚めると誰々の家という事はざらにあったので驚きはしなかったが、とりあえず昨日の記憶を思い返してみる事にした。確か昨日は日曜日で、離婚して半年が過ぎ、生活も少し落ち着いて来た私の様子を見に来てくれた叔父と昼間から飲み、盛り上がったところまでは覚えている。叔父は母の弟で、小さい時から私を娘のように可愛がってくれており、私も父のように慕っていた。おそらく今日も祭日で仕事が休みだった為、叔父の家に泊まりに行く事になったのだろう。周りを見回すと私の右隣には、5歳になる長女、左隣には3歳の次女、さらにその隣には母が寝ているようだ。携帯で時間を見ると、朝の5時過ぎ。せっかくの休みなのだし、もう少し寝ようと思い、一旦用を足しにトイレに行った。寝ぼけまなこで用を足していると、
‘おやっ?’
私の左の太ももに包帯が巻かれている。酔っ払って打ち身でもしたかな?さして気にも留めず布団に戻った。二度寝しようと思ったが、さっきの包帯が妙に気になり始めた。布団の上で起き上がりまじまじと包帯を見た。
‘おやおやっ?’
するとさっきは気付かなかったが、巻かれている包帯に違和感を覚えた。我が家の包帯じゃない。我が家では伸縮性がある包帯を使うので、こういう伸縮性の無い物は使わない。まるで病院の包帯のようだ。と、思った瞬間嫌な予感が胸をよぎった。
‘おやおやおやっ?’
だいたい包帯の巻き方も妙にきっちり巻かれていて、病院で巻いたようだ。ますます嫌な予感がした。私は恐る恐る包帯を解いていった。
‘おやおや八百屋ーっ??’
巻かれている包帯の所々にシミのようなものがある。よく見てみると乾いているが血の跡のようだ。血の跡はどんどん多く、どんどん大きくなっていく。日頃は毛が生えて伸びて三つ編みをしている私の心臓が、ドクンドクンと跳ね始めた。ついに包帯は外れた。
‘うげっ?’
思わずうっかり声を出しそうになったが、口を抑えなんとか堪えた。分厚く当てられたガーゼが全体的に血で染まり乾いてどす黒くなっている。心臓はトランポリン状態になっているが、私は勇気を奮い立たせそのガーゼをゆっくり外して見た。
「ぎゃーっ!」
抑える事が出来ず私は叫んでしまった。そこには、大きく真っ黒なムカデが2匹這っていた。…ように見えた。…※に続く…