僕はこの後、たれっくす(仮名)を中心とした渦に飲まれていくのであった…がそれはまだまだ後の話。
僕はこの日も青ねこ狩りに精を出していた。いつものように募集を見つけてはパーティーに参加していた。何番目に組んだパーティーだったろうか、そこにはたれっくすという名前のプクリポ男とウォルター(仮名)というウェディ男と僕とあと一人はよく覚えていないが4人が揃った。
僕らはいつものように青ねこを狩りまくり、いつものように解散しようとしたその時、静寂を切り裂くようにたれっくすが口を開いた。
どこかのチームに入ってる?
僕はこの時何を言っているのかよくわからなかった。まずチームなんていうシステムかあることを知らなかった。
ウェディ男のウォルターが食いついた。
入ってないので入りたい!
ぼ、僕も!
咄嗟に僕も食いついた。もう一人の人はどうやらすでに何処かに所属していたようだ。こうして僕はチームというものに初めて属したのだ。
そのチームのリーダーはたれっくすでチームの名はドラクエ同好会(仮称)といった。
チームに入っているとチームチャットという機能がつかえるようになった。そして、僕とウォルターがチームに入った瞬間にチームチャットが賑わった。
よろしく!
よろ!
よろしこ!
僕たちは歓迎されているようだった。チームに所属することによって常に集団でチャットができ、単調なレベル上げのときもドラクエをしてるのがより楽しくなった。
そして何よりそこには強烈な個性が入り混じっていて僕を楽しませた。
たれっくすはよくわからないカリスマ性を持ち合わせていた。
ハイスペックないわゆる廃プレイヤーも何人かいた。
3キャラを操りキャラを変える度にチャットの口調が変わるニートもいた。
そして、主婦、中学生、社会人、ニート、色んな個性が混ざり合っていた。その混ざり合って起きる化学反応を見ているだけで楽しかった。僕のアストルティアライフはたれっくすと出会ったことで新たなる広がりを見せ、ここで今も繋がるフレンドとも出会っている。まさに運命の出会いなのである。
色んな出会いがあり、僕はどんどんアストルティアでの冒険にのめり込んでいった。またそれは、妻も同じことだった。妻も僕とは別のチームに属し楽しんでいた。そして、この時辺りから2人にある不満が噴出しだした。
一日置きではなく毎日ドラクエしたい!
しかし、我が家にはwiiが1台しかない。基本wii1台につき1人しかプレイ出来ないので、もう1台買えばいいだけなのだ。この部分に関してはとてもシンプル、簡単なことなのだ。
問題は…どっちかがキャラデリしてまた最初からやり直さなければならないということだった。この時は引越サービスなどまだなかった時代だ。僕は絶対に嫌だった。なんせもうすでに2回もキャラデリしている。既に今のキャラで三代目だ。これ以上遅れをとりたくない。そして何より、今のチームが好きだったらだ。だいたいドラクエ10を買ってきたのは僕だから妻が自分のドラクエ10とwiiを買って最初から始めるのが筋というものだ。僕は断固拒否をしたが話し合いは平行線をたどった。
あくる日の夜…
僕の目の前には真新しいwii本体があり、テレビ画面にはシン・ディーという名のプクリポ男が佇んでいた。
続く