*迷子の子竜*
自分は雇われパラディンだ
今日もいつも通りガートラント王国からの護送依頼を無事済ませ、報告しに歩いて帰る途中だった
あまり整備されてない林道にさしかかったころ
「・・・ガサゴソ」
何やら茂みの方から物音がした
「何者だ!?」
自分は槍に手をかけその方向に振り返った
すると・・
そこには弱りきった小さなドラゴンの子?が・・
子竜「ギャウ・・ギャウ・・」
自分はその子竜にかけより抱きかかえ、ホイミをかけてやった
すると子竜は楽になったのか、そのまま眠りについてしまった
子竜を抱きかかえたまま周りを見回したが、この子竜の親らしき姿はなかった
このままこの子竜1匹をこの場に置いていくと、いつ他のモンスターに襲われるか・・
そう考えた自分はこの子竜を連れ、親を探し届けてやることにした
「この子竜の体色などの特徴から親の種族の目星はだいたいついている、すぐ見つかるだろう・・」
そう思ったからだ
この付近には目星の1つである、あの種族が暮らしている
少々気性が荒いやつらなのが心配だが、自分はそこへ向かうことにした
自分はリザードマンの生息している地に着いた
するとさっそく1体のリザードマンが自分を発見するなり近づいてきた
リザードマン「おい、お前! この地に何をしにきた!?」
リザードマンは武器を持ち、こちらを威嚇している
自分は敵意がないことを必死に伝え、リザードマンの警戒心をとく努力をした
リザードマンは今にも飛びかかってきそうだが、しばらく説得を続けていると、その声のせいか子竜が目を覚ました
子竜「・・ギャウ?ギャウ?」
子竜は不安そうに自分を見て鳴いた
リザードマンはその子竜を興味津々に見ている
この子竜の親を知らないか聞くなら今しかない、そう思い語りかけてみた
「この子竜の親を探している、何かわかることはないだろうか?」
そう質問したところリザードマンは武器をおさめ、ひとまず戦闘態勢をといてくれた
リザードマン「・・お前、何を企んでいる? 俺はその子竜の姿を初めて見た、当然親もどんなやつか知らねえ」
・・・自分は目星が外れ、ガッカリした
質問に答えてくれたリザードマンにお礼を言い、その場から立ち去ろうとした
すると・・
リザードマン「せっかく来たんだから俺と1勝負していけよ、さっきから戦いたくて尻尾がうずうずしているんだぜ!」
・・・こんな所で体力を消費してられない、そう思い適当に断り、あわててこの場を立ち去ることにした
リザードマンがもう追いかけてこない所まで逃げてきた
「ふぅ、やれやれ・・・そういやチビスケ、お腹は減ってないのか?」
自分はこの子竜に勝手に名前をつけてしまった
まぁ、この子竜を親の元へ返すまでの間、名前がないと不便だからな・・
自分はチビスケが何を食べるのかわからないかったが、手持ちの食料を与えてみることにした
チビスケ「ギャウ♪ギャウ♪」
チビスケは美味しそうに食べ始めた、どうやら気にいってくれたらしい
「絶対に親を見つけてやるからな」
そう声をかけ、次の目星に向かい歩き始めるのだった
続く