*迷子の子竜3*
(前回の続きです<(_ _)>)
朝だ、昨日は歩きまわり疲れたせいでだいぶ寝てしまった
・・・そうだ、チビスケは?
まわりを見回してみたが、チビスケの姿がない
自分は心配になり、辺りを探してみた
チビスケ?「ギャウ~~!」
河辺の方から鳴き声が聞こえる
慌ててかけつけてみると、そこには大量のぐんたいがにに囲まれたチビスケの姿が!
自分は急いでチビスケを抱きかかえ、その場を走って離れた
「はぁはぁ・・、無茶したら駄目だろチビスケ」
チビスケ「ギャウ・・」
どうやら反省しているようだ
しかしあんな無茶するとは、昨日食べた焼き蟹がよっぽど美味しかったんだろう
「また今度焼き蟹を食わせてやるから、無茶するんじゃないぞ?」
チビスケ「ギャウ♪ギャウ♪」
・・・と言ったものの、自分の目的はチビスケを親の元へ返してやることだ・・[また今度]などと言ってしまったが、その頃にはチビスケも親の元に戻っているであろう
自分はチビスケと別れるのが辛い、いっそのことこのまま自分が親代わりに・・
「いかんいかん・・さあ出発するぞ」
次の目星は比較的おっとりとした種族だ
こちらから危害加えなければ難なくコミュニケーションがとれるだろう
こうして自分はチビスケを肩に乗せ、その種族がいる場所に向かった
みずたまドラゴンだ
みずたまドラゴン「ルーン♪ルルルーン♪」
どうやら機嫌よく踊っているようだ、これなら簡単に話も聞いてもらえそうだ
自分はみずたまドラゴンに声をかけようとしたら
みずたまドラゴン「ちょっとアンタ! 私が気持ちよく踊っているのがみえないの!? 邪魔しないでくれる!?」
どうやら機嫌を損ねてしまったようだ・・
自分はこれ以上みずたまドラゴンの機嫌を損なわさせないよう、少し離れて踊り終わるのを待った
みずたまドラゴン「ルルルーン♪ルルルルーン♪」
・・・・・・・・・・・
一向に終わる気配がない・・
みずたまドラゴン「ちょっとアンタ! いつまでもそこで見てないでアンタも何か踊ってみなさいよ!」
正直これには参った・・自分は踊りなどアレしかできない
一人前のパラディンに伝えられる不思議な踊りだ
しぶしぶ自分はその踊りを踊ってみることにした
「ハァ~~~ソレ、ズッタッズッタッテンテンテンテン・・」
チビスケ「ギャ~ウ、ギャ~ウ、ギャウギャウギャウギャウ・・」
隣でチビスケも必死にマネしようと踊りはじめた
みずたまドラゴン「・・・アンタたち、最高ね! とてもじゃないけど私にはそんなステップふめないわ」
何がウケるかわからないものだ
いまのうちに尋ねることにしよう
「この子竜の親を探している、何かわかることはないか?」
みずたまドラゴン「うーん・・見たことない子ね・・ 残念だけどわからないわ」
今回も空振りか・・、そう思いガッカリしていると
みずたまドラゴン「・・でも、あの方ならきっと知っているはず! キングリザード様よ、なんてたって私達を束ねる王なんだから!」
まともな情報がない今、そのキングリザードとやらに会うしか選択肢がなさそうだ
自分はみずたまドラゴンに詳しいことを聞き、キングリザードのいる場所を教えてもらった
みずたまドラゴン「キングリザード様は気難しい方なので失礼のないようにね♪ じゃね~ ルーン♪ルルルーン♪」
こうして自分とチビスケはキングリザードの元へ向かうことにした
「チビスケ、もうすぐ親の元へ返してやるからな」
チビスケ「ギャウ?ギャウ♪」
続く