*迷子の子竜4*
(前回の続き、最終話です<(_ _)>)
自分とチビスケはキングリザードのいる場所に向かっていた
荒れた山道続きで足取りが重い
それだけではない、どこかでチビスケと別れたくないという気持ちが一層足取りを重くしているのだろう
そんなんじゃイカンと自分に言い聞かせ、しばらく歩いていると
???「ギャオオオーン」
どこからか威圧感のある鳴き声が響きわたってきた
チビスケ「ギャウ・・」
チビスケは怯えて自分の背中に隠れてしまった
ほどなくして声の主が目の前に現れた
・・・間違いない、キングリザードだろう
その体の大きさや風格に自分はすくみあがってしまった
そんな自分を睨みつけ、キングリザードが問いかけてきた
キングリザード「我の縄張りの地に何をしにきた!!?」
キングリザードは威嚇のためか、自分に当たる寸前のところに燃えさかる炎を吐いてきた
・・・熱い、恐怖のあまり声がでない
チビスケ「・・ギャウ、ギャウ~!」
チビスケが背中から降り、キングリザードに向かって威嚇を始めた
「待てチビスケ!お前がかなう相手じゃない!」
自分はチビスケを抱え上げ、勇気を出してキングリザードに語りかけることにした
「この子竜の親を探し、ここまでやってきた! キングリザード、あなたなら何か知っているんだろ!?」
キングリザードはこちらを睨みつけたまま語り出した
キングリザード「・・その子の親のことは知っている、しかしお主は何も知らずにここにやってきたのか!!?」
「・・・どういうことだ?」
キングリザード「何も知らないのなら教えてやろう! その子の親はお主たち愚かな人間達によって命を奪われた! 角がほしいとかそういうしょうもない理由でだ!!」
・・・自分は呆然と立ち尽くしてしまった
まさかチビスケの親の命を奪ったのは自分と同じ種族の人間だったとは・・
キングリザード「今すぐその子を渡せ!お主達人間など消し炭にしてやろう!」
・・・自分は覚悟した、チビスケを渡し、自分がここで消し炭にされることでチビスケが少しは報われるのでは・・と
自分はキングリザードの方へチビスケを差し出し目を閉じた
チビスケ「・・ギャウ!ギャウ~!」
・・・チビスケが前に立ち、自分をかばっている・・?
キングリザード「どけ!そこをどけ!」
チビスケ「ギャウ!ギャウ~!」
・・必死に鳴き、キングリザードを威嚇している
しばらく沈黙が続き、キングリザードが話しはじめた
キングリザード「竜の子よ・・お主はどうしてそんなにその人間のことをかばうのだ? お前の親の命を奪ったのも人間なんだぞ!?」
チビスケ「ギャウ!ギャウ~!」
キングリザード「・・・・エエイ!好きにしろ! おい、そこの人間! お主が責任をもってこの子を育てろ! 一生かけてだ! もしこの子に危害が加わるようなことがあれば我がお主達の国を滅ぼしにいく! それが嫌なら命を懸けてその子を守れ!」
キングリザードはそう言い、山の奥地へと去っていった
・・・・助かったのか・・?
いや、チビスケに助けられたのだな
チビスケ「ギャウ~♪ギャウ~♪」
こうして自分とチビスケはガートラントに戻り、直接王に訴えかけ、竜族の無益な殺害は重罪にするという法律をつくると約束してもらった
そして、これからはずっとチビスケと一緒に生きていくつもりだ
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時は流れ2年後、自分は今もチビスケと一緒にいる、しかし後悔していることが1つある
それは・・
チビスケがもう自分より大きく大きく成長してしまったからだ、これではどちらがチビなのかと・・あの時なぜ名前をチビスケにしてしまったのかということだ
しかしそれ以外はとても幸せだ
今まで長いこと独り身だった自分にパートナーができたのだから
「さあチビスケ、今日も護送の任務手伝ってくれよ!」
チビスケ「ギュルルーン♪ギャオギャオ♪」
終わり
長々妄想書いてすいませんでした<(_ _)>
読んでくれた方々、アリゲーターです