※前編からお読み下さい。
同日23時半頃。
一獄での戦闘が開始された。
始韻の目論見通り、一獄をあっさりと突破。
その後三獄も陥落した。
三獄は僧侶兵が不足していたため、兵達の間では
「我らは聖女に見放されたのでは…」
などとの不満もあったと言う。
そこに始韻が駆けつけると
「なんだ、男の聖女役など頼んではおらぬわ、さっさと斬り捨てるがよい」
などと散々に罵られたらしいが、
それについて彼は何も語らなかった。
『ロザリオ絞…』
などとの独り言が聞こえたが理解できた者は居なかった様子。
その後、戦いは四獄に推移。
まじない師に扮した兵士たちが一斉に闘馬と暗流に奇襲を仕掛けた。
補給手段を持たない彼らはさながら特攻のような形をとっており、
敗北必至のように見えた。
事実、闘馬と暗流はひたすらにまじない師を斬り捨てていく。
しかし、まじない師が天使に祈り、
札を取り出すたび、なんとムクムクと兵士が起き上がるではないか。
闘馬と暗流は恐怖をおぼえたことであろう。
何度殺しても纏めて蘇る兵士などどう対処してよいと言うのか。
「あれでは僧侶以上の損美芸ではないか」
「発破芸のほうがまだましだ」
たまらず闘馬は叫ぶが、
その頃には暗流が討ち取られ、彼らは敗走していった。
始韻配下の兵士たちは天使の恐ろしさを改めて、
そして身を以て思い知るのだった。
そして、最後の二獄。
始韻の予想通り彼らは敗走した。
一度目は開戦から苦戦を強いられたためか、途中闘馬の離間の計が成功。
戦いを放棄する兵士が現れたため、闘馬を追い詰めるも逃してしまう。
二度目は功を焦った兵士らが陣形を崩したため、
闘馬と暗流は計略を用い、これらを散々に打ちのめしてしまった。
そして迎えた三度目。
道具兵と賢人を均等に揃えた構成であり、
兵の練度も高い構成であった。
零式の陣も上手く使い暗流を討ち取った後は、
じわじわと闘馬の戦力を削いでいき、勝利したのだった。
彼らの力をもってしても、
残り3分もあれば闘馬を逃していたことは間違いないだろう。
それほどまでに辛い闘いであった。
闘いを終えた後、彼らは
「また塵の帯であったか」
との言葉を残し、去っていった。
が、彼らの戦いはこれで終わったわけではなかったのだ…
続く
※長くなったので投稿は明日以降で…あとこのノリはこれで終了!