三人は唖然とした。
ディボル「ぼっ、ぼぼぼ僕がこの人達の剣を作るんですか!?」
イザナ「俺達剣を買うお金なんて持ってないですよ!」
慌てて言った。
ラセド「いや、お金なんていらないさ」
ヒカード「でも・・・」
ラセド「これはこの先の冒険でどんな危険な目に合おうと強く生きて戦ってほしいという気持ちだよ、是非受け取って欲しい!
それに、そのどうの剣じゃろくな戦闘ができないからね」
イザナとヒカードはお互いの顔を見合い、少し考えて頷いた
イザナ「わかりました、お願いします!」
ラセド「使う武器は見たところ二人とも片手剣なのかい?」
ヒカード「はいっ!」
ディボル「片手剣なら一番作るのが得意な武器です!!」
そう言うとディボルは満面の笑みで階段を弾むようにおりて服を着替え、素材の用意をし始めた。
ラセド「ディボルは、あぁ見えて手先がとても器用でね。いつも良い剣を作るんだよ」
ヒカード「へぇ~、意外だぁ・・・」
イザナ「ラセドさん、作業を近くで見てもいいですか?」
ラセド「あぁ、もちろんいいとも!火傷に気を付けるんだよ。」
イザナ&ヒカード「はいッ!!」
初めて間近で見れる鍛冶作業にわくわくしながらディボルの元へ向かった。
ディボルは重たそうな鉱石を抱えながら作業場へ向かって歩いていた。
イザナ「ディボルさーん!素材運ぶの手伝います!」
ヒカード「僕も手伝うよ~☆」
ディボル「ありがとうございますっ!助かります!!」
少し自己紹介の様な話をしながら素材を運んでいると、驚くほどあっという間に運び終えた。
ディボルは「ありがとうございました!」とお礼を言うと、鉱石を温めて作業を始めた。
片手に鍛冶用ハンマーを持ち、慎重にカンッカンッと鉄を打っていった。
鉄はみるみるうちに変形していき、剣の形となっていった。
そして2本目・・・3本目と打っていき
ディボル「よぉし!できましたーッ!」
立ち上がり嬉しそうにガッツポーズをした。
どうやら3本とも成功したようだ。
ヒカード「お、できたの・・・かな?」
ディボル「はい!少し待って下さいね!」
そういうと、作った剣を持ち奥の部屋へ入るとすぐに慌てて戻ってきた。
片手には鞘を持っていた。
ディボル「これは剣を収める時に使ってください!」
ディボルから鞘に納められた剣を渡される。
イザナ「こっ、これが俺達の新しい剣・・・!」
ヒカード「なんか・・・前の剣とは比べ物にならないくらい凄く力を感じるよ・・・!」
ディボル「気に入っていただいて嬉しいです!!イザナさんの剣は"戦士の剣"で、ヒカードさんの剣は"はがねのつるぎ"です!」
イザナとヒカードは新たな武器をじっくりと眺めて喜んでいると、城の兵士が一人こちらへ向かって歩いてきた。
兵士A「イザナ様、ヒカード様。王がお呼びですので至急王の部屋へ向かってください。」
伝え終えると兵士Aは帰っていった。
ヒカード「なんだ・・・?」
ディボル「僕からラセドさんに事情を伝えておくので、どうぞ行ってきてください!」
イザナ「すみません、いつか必ずお礼させてください!」
そう言って、武器鍛冶ギルドをあとにした。