イザナ達は武器鍛冶ギルドを出て、グレン城の2階にあるバグド王の部屋へ向かった。
ヒカード「なんだろう・・・少し怖いなぁ」
イザナ「きっと大丈夫さ。」
扉の前には門番の様な兵士が立っており、「イザナ様とヒカード様ですね、バグド王様がお待ちです」と言われ中へ入った。
中へ入るとバグド王が玉座に座っていた。
バグド王はイザナ達が入って来たのに気が付くと顔をあげてイザナ達を見つめた。
バグド「よくぞ来た、若き戦士達よ。」
イザナ達は跪いた、するとバグド王は
バグド「イザナとヒカードよ・・・」
バグド「誠にすまなかった。まだ未熟なお主らにあの様な不適なクエストを依頼してしまい命の危険にさらしたこと、どうか許していただきたい。」
そう言うと、静かに頭を下げた。
イザナ達は慌てて
イザナ「バグド王様!顔をあげてください!!」
ヒカード「これは何も知らずクエストへ行った自分達の責任ですッ!」
とバグド王に言った。
バグド「イザナよ、先日地下牢屋へ荷を届けさせたことを覚えておるか?
あれは一種の新人試しでな・・・あの箱には悪心に反応する魔法がかかっているのだ。無事に箱を届けられたのなら悪心を持たぬ者ということだ。」
イザナ「なるほど・・・自分は知らぬ内に試されていたのですね」
バグド「結果はモウゾウから無事に届いたと報告があった。
そして、その清き心とどんな強い敵だろうと挫けずに立ち向かう勇気。きっと将来良い剣士になるであろう。
そこでお主にはこれを報酬として差し出すと決めたのだ。」
バグド王は何か鍵のような物を取り出すとイザナへ差し伸べた。
イザナ「これは・・・?」
バグド「これはキーエンブレムと言って、アストルティアの各国の長が冒険者のその功績を称えて授ける鍵型の紋章だ。このアストルティアではキーエンブレムを求めて冒険をする者も少なくはない。」
イザナ「そっ、そんな物自分が受け取ってもいいのでしょうか?!」
バグド「あぁ、どうか受け取って欲しい。」
イザナはバグド王の近くへ行きキーエンブレムを受け取った。
イザナ「ありがとうございます!!」
バグド「まだお主らの旅は始まったばかりだ、幾度とない困難が待っておるだろうが挫けず立ち向かってほしい。」
イザナ「はい!どんな困難が待っていようと立ち向かって見せます」
そう強く宣言し、「ありがとうございました」と言ってバグド王の部屋を後にした。
ヒカード「(・・・自分忘れられてない?)」