むかーし、むかし
この世界のすべてのトリさん達は白一色しかありませんでした。
そのため誰が誰だかお互いに区別がつかず、とても困っていたのでした。

ある日のこと
その事に目をつけた知恵者のフクロウ、ゲルニックさんは、ある商売を始めることを思い立ったのです。
フクロウのゲルニックさんは世界中を飛び回り、この世のありとあらゆる染料をかき集め、染物屋をオープンしたのでした。
すると早速、噂を聞きつけたトリさん達が大勢集まって来ました。
始めにやって来たツルさんは頭を赤く染めてもらいました。
次にやって来たカワセミさんは全身を青く染めてもらいました。
カナリアさんも全身を黄色に染めてもらいました。
メジロさんは目の周りは白く残しそれ以外は緑色に染めてもらいました。
美婆?なスズメさんは全身を土色に染めてもらいました。
ハクチョウさんは散々迷ったあげく、やはり何者にも染まらない白のままが良いと言いました。

そして最後にカラスさんがやって来ました。
カラスさんは
「ゲルニックさん、ゲルニックさん! あたいは鳥のなかでも一番頭がいいんだから誰よりも目立つ、この世に一つとない色に染め上げておくれよ!」
と、言いました。
あーでもない、カーでもないと細かく注文するうるさいカラスさんに困り果てたゲルニックさんは、自分の持てる全ての染料を重ね塗りし始めました。
すると…

カラスさんは全身真っ黒な今までに見たことのない色に染め上げられてしまいましたとさ。
それ以来カラスさんは智某の首飾りの合成効果を見るたびに真っ黒に染められた嫌な思い出がよみがえるのでした。
おしまい。
※参考文献
今昔物語 宮沢賢治童話集