(話を進めていくにつれてバージョン4のネタバレ要素が含まれている可能性があります それでも良ければお楽しみください)
岩に刻まれていた五つの民の事が気になり僕は不思議そうに見ていた
岩には民の姿の絵とその民についてが詳しく刻まれていた
僕は岩に刻まれている文字を読んだ
「水の民 ウェディ」
海に浮かぶ美しい島々で 自由に生きる
青き水面のような色の 身体を持つ者たち。
束縛を嫌い 歌と恋を大切にする彼らは
速さと 強さという特性を生かして
愛する者を守る時にだけ 本気で戦った。
「地の民 ドワーフ」
雄大な山々に恩恵を受け 大地と共に生きる
小さな身体に 大きな耳を持った者たち。
高い技術力と 強い欲望を持つ彼らは
持ち前の 器用さと素早さで
いくつもの高度な文明を 築き上げた。
「風の民 エルフ」
自然を愛し 森と共に生きる
背に小さな羽を持った かれんな姿の者たち。
伝統と格式を重んじる彼らは
世界の理を 深く学び
多くの優れた呪文の使い手を 世に送り出した。
「花の民 プクリポ」
絵本のような色彩の町で 楽しさを求めて生きる
ふわふわと愛らしい 小さな身体の者たち。
強い魔力と 器用さを生まれ持つ彼らは
楽しさを生みだすことに 情熱をかたむけた。
「炎の民 オーガ」
厳しい荒野で チカラ強く生きる
大きな身体に ツノと尻尾を持った者たち。
好戦的で 強き者を尊んだ彼らは
抜きんでた 強いチカラと体力で
弱き者や仲間のために 命をかけて戦った。
「この民達は今でもどこかにいるのだろうか」
全てを読み終えた僕は前に進むことにした
今はそれどころではないのは分かっていたがあまりにも気になる内容で読んでしまっていた
いつか冒険に出たらこの民達の姿をこの目で見てみたいと感じた
「兄さん こっちにも二つの民について刻まれているよ しかも一つは僕達人間について…」
マキは僕が文字を読んでいる間に少し奥に進んでいたようだ
どうやら別の場所にも民について岩に刻まれているようだった
次に見たものは二つの民について刻まれていた
「勇の民 人間」
どんな地でも 生きていける
大きくもなく 小さくもない身体の者たち。
秀でたところがないと思われていた彼らだが
危機に着面した時 決して くじけずに
立ち向かう 勇ましさを秘めていた。
「空の民 竜族」
はるか かなたより
世界を見守る 聖なる者たち。
彼らは 地上で 争いが起きると飛来し
その大いなるチカラで
またたく間に 平安をもたらしたという。
「僕達が勇の民? そんなの初めて聞いたな…」
僕はさらに不思議に思いながら文字を読んでいた
この洞窟は一体何なんだ?
まるで現実ではない物語の世界にいる民達の話をされているかのような気分だった
しかし今考えても何も答えが出るはずもなかった
「とりあえずテンスの花をとって未来を変えてから考えようか」
僕はマキにとりあえず今は前に進もうと提案した
マキは頷き僕の後ろに来て歩みを始める
そしてついに僕達は太古の泉がある扉の前にたどり着いた
扉を開けるとそこには綺麗なテンスの花がたくさん咲いていた
これであの最悪な運命を変えられる
僕達は安心してテンスの花を取ろうとした
しかしその安心はすぐに絶望に変わってしまうことに僕達はまだ知るはずもなかった
そこには絶望を与える魔物が現れることを僕達は知らなかったからだ