バスコ・D・がまだ。
俺の故郷で転職をするとき、非常に重要視するものがある。
給料だ。
…こっちの人からすると、給料?なにそれ、おいしいの?
といった感じだろうか。
職業という制度…概念というべきか。
それが俺の故郷とは全くことなっている。
俺から言わせると職業というのは、
雇い主が対価を払って労働力を提供するものだ。
そして、そのスパンは数十年にも及ぶ。
しかし、ここでは決まった雇い主はおらず、
自分で好きな職業に転職しては短期間の労働契約を結ぶ。
俺の故郷にも「日雇い」と呼ばれる同等の契約形態があるにはあるが…
どちらかと言えば底辺の人々が結ぶ契約だ。
俺はここの職業制度について、当初否定的な立場だった。
だが、時が経つにつれ、この職業制度の良さも分かってきた…
続く