アタシは一振りの剣。それは、傷つけるためのもの。
炎の剣の名を冠する。あれは、焼き斬るためのもの。
切裂くは自らの意志。これは、辿り着くためのもの。
太陽を裏返す月の姫。そこは、空虚穿つためのもの。
月は、主星が無くばただの岩。
月は、太陽がなくば暗闇の星。
月は、太陽が戻ることを願い。
月は、自らが主星で居続ける。
だからおもう。他の星々と共にありたいと。
だからすすむ。自分は輝く炎となりたいと。
だから信じる。淡い光が星々へとどくこと。
だからいのる。静かなる星の海であること。
・・・だけど、願う。小さく願う。叶わぬ願い。過ぎ去りしあの月へと還りたいと。