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風乗りの盟友

ソラノネ

[ソラノネ]

キャラID
: FA074-812
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 天地雷鳴士
レベル
: 124

ライブカメラ画像

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ソラノネの冒険日誌

2020-03-20 21:52:17.0 テーマ:その他

恋の魔法、愛の魔女(後編)

※この日誌は、蒼天のソウラの二次創作です。



「現れるんだよ。魔術を伝える魔女やら魔法使いの"魔導師"が。そういう奇病が流行ってる土地に、さ。」

魔法使い、魔術師、呪術師、奇術師、ウィザード、etc…。魔法に携わる者の呼称は区別が曖昧ゆえに様々だが、その中でも魔導師と言えば、魔術を表立って人々に広く教え伝える者を指す場合が多い。教員としての魔術師や、結果的に魔術の体系化に成功し後の魔法使いの礎を築いた先達の魔術師たちも、魔導師の側面があると言えるだろう。
そんな疑問を、今度はマスターがすらすらと答えていく。そしてそこから先は、リンドウも知らない事だった。立ち止まり、黙って耳を傾ける。

「中世は、魔王との戦争で荒れたグランゼドーラ領に残った魔瘴による病気。近世はレイダメデスによる寄生虫のオーグリード。
 時折そういうところで、魔術を布教する魔法使い…魔導師が現れる。もうすぐ死ぬって医者に宣告された患者の前に現れた魔女が、「生きたくはないか?」と持ち掛ければ…どうなるかは火を見るより明らかさ。罹患者はそれこそ死に物狂いで勉強したんだろう。
 なにせ、魔女になれば少なくとも十年くらいは生きられる上に、超人的なチカラが手に入る。そりゃするさ。勉強だってなんだって。」

人生50年ほどの人において、十年という時間が約束されるというのは大きい。それも、戦いで荒れた世を生き抜くための強力な武器として魔法を扱える。それはとても合理的で、納得のできる流れだった。

「その時代に生きた魔女達にとって…魔法は…本当に希望だった。絶望の淵に差し込む、唯一の光だった。」

リンドウはここで理解した。その時代の魔女達は、魔女になる為に生きたのではなく、生きるために魔女になったのだと。

魔女になって最も他人と異なる点は、魔術に対し強い耐性を得られる事だ。その権利と知識を総動員すれば、他者の魔法の一切を拒絶し無敵になる事も難しくはない。まさに全身そげぶ。ATフィールド。呪文を生業にする職業からすれば、これほど嫌な相手もいないだろう。
だが同時に、"与えられる特別な事はそれだけであった"。呪文は通じないが、殴れば痛い。心臓を刺されれば死ぬ。魔女を安全に始末したいなら、世界一のスナイパーを雇って遠距離からその綺麗な頭を吹っ飛ばしてやればいい。初見は誰もが驚くだろうが、タネが割れればなんて事はない。
ただ天から、魔の法から与えられるものはそれだけであるのに、それへの維持は驚くほど割りに合わない。魔女になった瞬間から寿命を削り、どれほど生き延びても最期は後世によって魔女狩りに遭い裁かれる道しか辿れない。そんな狂気の沙汰を…ただ流行り病にかかったという理由だけで、選べてしまう。

生きるために魔女になるという先達の手段。それはとても、平和を維持してきた今の時代では考えられないものだ。
自分は未だ戦争というものを経験したことは無く、伝聞で知るしか術のない平和な時代の人間だが、そんな過酷な時代と魔女達を思うと、思わず息を呑むしかない。

だが同時に。
その魔女たちは…ずるいな。そんな事を思った。

きっとその魔女たちは、
迷うことなく魔女を目指し、
魔女になれたときは感激し、
命が延びた事に安堵し、
解放された心で魔法を使い、
そして…魔法に感謝して死んでいったのだろう。
「魔女に身を堕とした」ことなど、考えた事もなかったのだろう。

「軽蔑するか?その魔女たちが。」

考えを見透かされたかのように問いをぶつけられて、リンドウは少しだけ言葉に詰まった。魔女について悪く言うつもりは無いが、リンドウの師匠が正真正銘本物の魔女である事を鑑みれば、少なくとも魔女という在り方そのものを否定することなどできない。たとえ、平和の時代に世界中で魔女狩りが執行され、災厄の象徴と蔑まれていても。
リンドウにこれ以上不安な顔をさせまいと、マスターは明るく笑って言葉を贈った。

「私は、この現代で魔女でいてよかったと思っているよ。
 私達は…平穏な幸せを捨て、命を縮め、苛烈な運命に身を委ね、それでもどうしても魔法を使いたいと、魔法を極めたいと思わなければ、魔女になっていないだろう。
 つまりは、ね…私達の方が圧倒的に、魔法を愛しているって事さ。」

魔法を愛している。
実に晴れやかに笑うマスターの顔は、それから十年以上経った今でもリンドウの脳内に強く焼き付いていた。
思い返せば、自分に魔法を教えるときも、魔法の話をするときも、魔法を行使するときも…師匠の顔はどこか、魔法を愛するというよりは、恋をしているようだったから。
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