「ねえ、知ってますか?この世界にはね、どんな願い事でも叶えてくれる者がいるそうですよ。」
「はあ、今日も教えるの大変だったなあ。毎日授業で、たまったもんじゃないよ...。」
そうつぶやいている者が一名。彼の名前は高寺隼一(たかでらじゅんいち)(39歳)。28歳のころから公立中学の教師をつとめている。
「ただいまー。」
「お帰りなさい。」
「パパ、お帰りー♪」
こちらは高寺の妻の高寺由子(たかでらゆうこ)(36歳)と息子の高寺悟志(たかでらさとし)(5歳)。隼一と由子は結婚してから7年ほど経っている。
「はあ、最近生徒が俺の話聞いてくれないからすごい神経使うんだよなあ。」
「あなた、無理しちゃダメですよ?無理しすぎたら体を壊してしまいます。」
由子は隼一に優しく言った。
「仕事も忙しいし、悟志とも全然遊んであげられないんだよなあ。」
隼一は惜しみそうに言う。
「パパ、パパは仕事を頑張ってくれたらそれでいいんだよ?」
「ふふ、悟志は本当にいい子ね。」
そんなかんじで家族は今日も平和だった。
翌日
「やべ!寝坊した!」
隼一は急いでスーツに着替え、パンをくわえて家を飛び出た。
「はあ、なんとか間に合った...。」
高寺は急いで授業の準備をし、担当の教室へ向かった。
そんなことがあって、昼休みになった。生徒は友達と弁当を食べたり、グラウンドでサッカーをしたりしていた。
「最近忙しそうですね、高寺先生。」
「あ、星野先生。」
高寺に話しかけてきたのは、新米先生の星野理沙(ほしのりさ)(24歳)だった。やたらと高寺のことを気にかけている。(なお、そうは言っても彼女は結婚済み)先生の中でもかなり若いし、女性のため、やたらと男性の30代ほどの先生から人気がある。
「少しは疲れを癒したいものですよ、そう思いません?星野先生。」
「...願い事は疲れを癒したいということですかね?」
「え?あ、そうですけど...。」
「承知しました。少しついてきていただけますか?」
「え、あ、いいですけど...。」
星野は高寺を連れて裏庭へと出ていった。そこで何をする気なのだろうか?
続く