自分に好きな人はいない。今は断定できる。昔は好きな人がいた。それもコロコロコロコロ変わったもんだ。
自分は毎日充実した生活を送っていた。
小学生になるまでは。
幼稚園に入学した自分は、とにかく泣き虫だった。先生のアドバイスをもらうだけでも泣いていた。変なプライドのせいか、理由は定かではない。
その頃は、ドラクエ7が好きで、パズルをはめてクラスから出てワープするみたいな遊びを友達とよくやっていた。今思うとバカらしい。なんやかんやいって幼稚園のころはよく泣いてよく遊んで1日が終わっていた。
だがたとえ幼稚園児でも恋はする。自分はそのとき一人好きな人がいた(今はその人が好きだった理由が分からないくらいどうでもいいが)。自分は祭りでツーショットをとり、恋は終わった。今もその写真は大事に保管している。
小学生になった頃のこと。
自分はとにかく緊張していた。しかし、とある男子が、気まぐれか
「一緒に帰ろ?」
と誘ってきて、それが自分にとっての運命であり、小学生の1年のはじめのころからその子とは仲良くなり、今は親友という立場である。
なんやかんやいって小学2年生までは安定していた。通知に悪い評価は一切なかったし、イジメもとくになかった。
しかし、ここで小学3年。
小学3年生の頃の思い出なんて思いつかない。それぐらい酷かった。てきとーな担任に苦手な理科社会が乱入。通知にも悪い評価がかかれるようになり、しまいには
「○○さん宿題の字めっちゃきれいやん!」と俺と同じ苗字を呼び、俺が少し嬉しくなると、
「あ、○○(そいつの下の名前)さんのほうね。」と、言われる始末。しかもそのときたまたま宿題に花丸が欲しかったため、かなり時間をかけたため、精神的ダメージがかなりでかかった。
その時から、宿題に嫌気がさし、ついには宿題を親に内緒でさぼるようになった。結果は小学4年の頃に罰がくだった。
小学4年の時の担任は、宿題をやっていないとその日にやらせてくるため、嫌でもやるようになった。だが、結局放課後やらないのは変わらない。
ついに担任から呼びだし。いつかこうなるとは思っていた。
担任にはとにかくしかられ、正直そのときの自分はあまり気にしていなかった。しかし、担任が、
「このまま私の期待を裏切るの?」
ととても悲しそうに言ってきた。
自分は途端に良心が目覚めた。俺は今までの自分の行いに恥を知り、それ以降は小学6年まで一度も宿題を忘れたことはない。
しかし、小学4年では自分にイジメが発生した。自分は担任に相談した。担任はとにかく自分を守ってくれ、しまいにはイジメをなくしてくれた。そのときに、改めて担任の優しさを感じた。
小学5年の頃である。
自分は4年の頃のイジメによって5年のときのクラスはとても充実したものになっていた。いい子ばかりが集まっていて、恋もした。しかし、告白はしていない。
問題は小学6年である。
自分はふたたびイジメにあった。理由は体格がおかしいからというアホらしい理由だが、本当にそれが原因で、自分はクラスでは害虫扱いされていた。
同時に恋もした。しかし、相手は皆からの人気者で、仲はよかったのだが近づく気にはなれなかった。
また、イジメが原因で中学受験も考えた。それなりに偏差値が高いところに通ったので受験以降はイジメは減少したが、俺をイジめてくる主将は自分よりも偏差値の高い中学に受かっていたため、非常に悔しい思いをした。
卒業式の日。
自分は卒業式のあと、皆と一緒に写真をとりまくった。冒頭で話した親友とはとくに多くとった。
気がすんだので帰ろう。と思った刹那だった。ありえないことが起こった。
俺の肩を叩いてくる人がいる。誰だと思い、振り向いた。それは自分が好きな人だった。
「一緒に写真撮って。」
彼女はそう言ってきた。自分は彼女とツーショットをした。そして、彼女はさらに信じられないことをしてきた。卒業アルバムを差し出し、
「コメント書いて。」
と言ってきた。自分は夢でも見てるのかという気持ちになった。自分は彼女のアルバムにコメントを書き、彼女は自分のアルバムに中学ガンバッ!という言葉にニコちゃんマーク。そして彼女は最後に小声で、
「今までありがとう。」
と言ってきた。俺は言葉が見つからなかった。
今でもこの話を思いだすと心が温まる。そういえば最近、その好きな人にまた会ったのだ。たまたま。そのときの彼女の顔は、美しく、喜びを表す最高の笑顔だった。
終わり