メイ)審判するね。それでは、試合始めるよー。
セイヤ)シロ、リョウト、俺たちは攻守優れたバランス型だ。敵の弱点を探しながら、上手く立ち回っていこう。
シロ)おう、端の方でオレにボール回してくれたらトライしてやるぜ。
リョウト)最後まで来られたら俺がなんとか止めるようがんばるが…。お前たちもタックルを頑張ってくれ。
クロ)敵はこれといった特徴持ちがいない。オレが十分独走を狙える相手だ。
マサユキ)まあ時間稼ぎしたいときは俺がぶつかるとしよう。
ショウタ)一番適した攻め方を考えてみる。私が指示したときはそう動いてほしい。
メイ)よし、スタート!
リョウトのハイキックで試合スタート。
マサユキ)よし、俺がとるとしよう。
マサユキがキャッチする。
ショウタ)一回突っ込んで。
マサユキがシロにぶち当たる。
シロ)うぐ、つええ…。
シロは必死にタックルをする。マサユキは少し距離を稼いで倒れた。
ショウタ)クロ、一気に抜けてしまえ!
ショウタはボールをクロに回す。
クロ)さあオレを止められるかな?
クロは走りだす。
シロ)…うお、すげえステップ…!
シロはクロにタックルするが、クロはかわした。
セイヤ)抜かせるものか…!
セイヤもタックルするが、クロはステップで華麗にかわす。
セイヤ)くそ、素早い…!
リョウト)…来い!
リョウトはクロにタックルをする。リョウトはしっかりクロの足をホールドした。
クロ)くそ…!
ステップは鋭いがフィジカルが弱いクロ。当然足の自由を奪われては動けず、そのまま倒れた。
ショウタ)マサユキ、トライゾーンまであとわずかだからなんとか強行突破してくれ!
ショウタはマサユキにボールを回す。
セイヤ)皆で止めろ!
セイヤはシロやリョウトと一緒にマサユキを押し返す。
マサユキ)くそ、さすがに分が悪い…。
マサユキは少し押し戻されて倒れた。
ショウタ)クロ、一気に抜けるかい。
ショウタはクロにボールを回す。
セイヤ)まずい、皆でかかれ!
セイヤとシロとリョウトは全員でクロを止めにかかる。
ショウタ)よし、想定通り!クロ、回せ!
なんとショウタはクロに3人が固まることを読み、自分が外側にまわって十分なスペースを確保し、トライするという作戦をたててきたのだ。
クロ)ほらよ!
ショウタはボールを受けとり走る。さすがに誰も間に合わず、ショウタはトライに成功した。
ショウタ)よーし先制。
クロ)この調子でトライもっととってやろうぜ。
セイヤ)くそ、どうしようか。
リョウト)守り続けていれば必ずチャンスは来る。それまで粘るんだ。
リョウトのキックオフ。
クロ)あーオレだね。
クロがボールをキャッチする。
クロ)よーし…ってうおっと!?
クロはステップを踏もうとした衝動で転び、それと同時にボールを前に落としてしまった。ノックオン、つまり反則である。これに限ったことではないが、ラグビーではボールを前に出すと基本的に反則になる。故意に前に出していいのはキックの場合のみである。
メイ)ノックオン!本来ここからスクラムっていうもので試合再開するんだけど、この人数じゃ無理だからセイヤのチームがボールをタップキック(軽く蹴り上げてキャッチすること)して再開にしよう。
リョウト)セイヤ、一回当たれる?
リョウトはセイヤにボールを投げる。
セイヤ)よし。
セイヤはクロに当たる。
クロ)いってえな!
クロはセイヤの足を持ち上げてかちあげた。
セイヤ)うお、こいつ…!
クロはセイヤを数メートル押し戻して倒した。
リョウト)…。
リョウトはシロにボールを投げる
リョウト)と思ったか!
ふりをし、自ら敵に当たりに行った。
ショウタ)く、不意をついてきたか…。
ショウタはなんとかリョウトを倒す。
リョウト)シロ!
リョウトはとっさにシロにオフロードパス(タックルをくらって倒れている最中にパスすること。上手くできればチャンスが広がる。)をした。
シロ)よっしゃ、おらあああ!
シロは端の方で全速力で走りだす。
ショウタ)ちょっと待て速すぎない!?
クロ)くっそ、追い付かねえ!
シロのスピードに二人は追い付けず、シロはどんどん二人を引き離した。唯一後ろに回っていたマサユキがシロを捉えた。
マサユキ)スピードがあっても目の前の相手を抜けられないと意味ないぞ!
マサユキはシロにタックルにはいる。
シロ)うぐ…。
シロは倒された。
リョウト)トライゾーンまでだいぶ近づいている、チャンスだ!
続く