リョウト)シロはスピードがあるものの、ステップははっきりいってあまり踏めない。これさえ抜ければトライは約束されたもの…。どうなる…!?
シロは軽くジャンプをし、少し下がった。
ソウタ)(ん、何で下がるんだ?)
それにつられてソウタもシロを追う。
シロ)よっと!
シロは左にすばやく踏み込んだ。それにつられてソウタも左に寄る。
シロ)かかったな!
シロはとっさに重点を右にずらし、右に大きく走りだした。
ソウタ)まずい!
ソウタはシロを追う。そして意地でシロの胴体にしがみつく。
ソウタ)よ、よし…。
リョウト)ああ…。
しかし、
シロ)来るな!
シロは体を大きく動かし、ソウタを無理やり振りほどいた。ソウタはシロを離して倒れた。
ソウタ)くそ…!
リョウト)おお、ナイス!
シロ)もらった!
シロはトライを成立させた。
リク)…し、シロだっけ。君、50m走何秒?
シロ)え?5、6秒。
リク)え、6、5秒?まあそれでも速いけどさ。
シロ)いや5、6。
リク)速すぎ…。
セイヤ)シロ、ナイストライ。
シロ)おう。
リョウト)もう一回トライしたいな。
クロ)じゃあしよう。
リク)シロを警戒しよう。あいつにスピードでは絶対に敵わないから、シロだけは絶対に優先して止めよう。
リクはそう呟き、キックオフで試合再開。
シロ)オレが取るぜ。
シロがボールを取る。もちろん皆シロを追う。
シロ)よーしクロ、いけ!
シロはとっさに遠くのクロにパスした。
クロ)抜けてやる…。
リク)あ、そうだったクロもいた!
トオルがクロにタックルにはいるがかわした。続いてケイタがタックルするが、これも回避。
トオル)まずこういう演出中におれたち敵がタックル入って成功する事例が
せいや)分かったからそういうこといわないで!
クロ)おっと前から来たか。
ショウゴとカズヤが二人でダブルタックル(二人で並んで一緒にタックルすること。上手くいけば敵を強く押し返せる。)に入る。クロは二人の間で思いきりジャンプしてかわした。
ショウゴ)まじか…。
カズヤ)まじか…。
リク)うっそだろそんなに止められないものなの…?
クロ)よし、あとはソウタさえ抜けば…。けどカズヤタックル他のに比べて上手いしなあ…。
クロはソウタに勝負をしかけた。
クロ)あーどうやって抜くか…。
ソウタがクロに迫る。そしてソウタがクロにタックルに入る。
ソウタ)よし!
クロ)ま、まずい…。
メイ)クロ、後ろ!
そう、スクラムハーフのメイは基本ボール所持者の後ろにいるのだ。クロはメイにオフロードパスをした。幸い前方に誰もいない。メイはそのままトライした。
サキ)試合終了!
続く