せいやの冒険日誌

「オギャア…。」

セイヤ)おお…。

メイ)産まれた…んだね…。

サキ)カワイイ…。この子、わたしのおとうと…。

わたし、サキ。３さいなの。きょう、ママがこどもうんだんだ。げんきなおとこのこ。とてもうれしかった。わたしもおとうとほしかったから。

セイヤ)名前はどうしよう…。

メイ)…。そうだ、シロなんてどう？嘘偽りのない真っ白な人間になってほしいっていう意味だよ。

セイヤ)おお、いいな。よし、この子の名前はシロだ。

メイ)ほら、シロ、お姉ちゃんだよ。

サキ)あはは、よろしくね。

とてもうれしかった。今日からわたしはおねえちゃん。ほこらしい気分なの。りっぱなお姉ちゃんになれたらいいな。



２年後



ママ、わたしとあそんでくれない…。シロとあそんでるばかり…。むかしはたくさんあそんでくれたのに…。さみしい…。

メイ)ほらほら、シロー。いないいない…ばあ！

シロ)キャハハ。ハハ。

サキ)ねえ、ママ…。

メイ)ごめん、今シロの子守りで忙しいから…。

サキ)ママ…。

ママ、とてもそっけない。わたし、かなしい。でも、わたし、だいじょうぶ。パパはわたしとあそんでくれる。

セイヤ)よーしサキ、ほら！

サキ)わーい、もういっかい！

パパはとってもやさしい。わたしのことをきにかけてくれるもん。パパ、だいすき。



１年後

「えー次のニュースです。先日、高速道路で事故が発生し、会社員、セイヤさんが亡くなられました。」

パパ、しんじゃった。こうつうじこでしんじゃった。わたし、とってもかなしい。

メイ)なんで…。なんでセイヤが…。

ママ、泣いてる。そうだ、パパがいない。わたしはかわいがられない。かなしい。

シロ)う…。ひっぐ…。

シロも泣いてる。かなしい。パパ、なんでしんじゃったの？わたしもかなしい。だってかわいがられないもん。

メイ)うう、シロ、つらいね…。

ママ、またシロをだっこしてる。わたしもしてほしい。わたしもかわいがられたい。なんでわたしはかわいがられないの？かまってほしい。辛い。わたしもここの家ぞくなのに。ねえ、何でわたしはかわいがられないの？わたしはいらないの？シロの方が大事なの？シロしかかわいがらないの？わたしはいらないの？わたしだってかわいがられたい。…そうだ。





















シロがいなくなればいいんだ。