私は、その日からただただ絵を描き続けた。加害者への怒りと、先生への憂虞。その神経を得た私の美的スキルは、あらゆる意味で奇抜だった。
メイ)もっと…。こんな平凡な絵を描いても、何も評価されない!
私は、溢れる感情を、絵の具と共に画用紙にぶつけた。私の絵は、恐ろしく奇抜だった。しかし、同時に、なにか温かさも秘めているような感じもした。
メイ)…よし、もう少し…。
メイは、暗い色と明るい色のコントラストを意識し、塗った。
メイ)…。出来た。
メイは完成させた。この絵は無論…。
メイ)…コンクールに応募しよう。
リョウト)さて…。今回はどのような作品が集っているかな。
俺はリョウト。今、コンクールに出された作品をチェックしている。本来は、妻のサキと二人で見るんだが、今はとある事情で…。
リョウト)…ありきたりな作品ばかりだな。今回は。
こう、変わった作品はないのか…。…ん?
リョウト)こ、これは…。
俺の目は、とある作品を捉えた。
リョウト)なんて奇抜な作品…。
題名は…。「永久の二人」か。

リョウト)暗い雰囲気でありながら、二人の服装の色は明るいものがベースか。ゴーレムが壁から出てるという表現もなかなか変わっている…。作者は…。……。ほう。
俺は、作者を見て面白くなった。サキ…。お前、目利きはいいんだな。
メイ)うーん…。
私は今日も絵を描いている。そして、私は先日、賞をもらった。
ショウタ)メイ殿、コンクールにて入賞したことにより、これを賞する。
メイ)ありがとうございます。
このような表彰式があったのだ。
メイ)難しいなあ…。
私は一人で絵を描いていた。最早慣れた。しかし、それも今日までだった。
ガチャッ
メイ)!
突如、美術室の扉があいた。入ってきた人を見るなり、私は涙が溢れでた。
メイ)…サキ先生!
サキ)ふふ、メイちゃん…。頑張ったね。
私は、先生に飛び付いた。先生も、私を抱き締めてくれた。ミントのような優しい香りがするのを私は感じた。
メイ)私、入賞できました…。私、やりました…!
サキ)うんうん、よく頑張ったね…。本当にすごいよ…。
私は先生に抱きつきながら、涙を流して訴えた。先生も、私に優しく応えてくれた。
メイ)けれども…。先生が無事に帰ってこられたのが一番嬉しいです…!
サキ)うふふ、ありがとう…。
サキ先生も帰ってきた。また、二人で絵に取り組める時間が戻ってくるのだ。私は嬉しくて仕方なかった。
続く