メイ)…。というのが、きっかけでしょうか。サキ先生。
サキ)ふふ、そういえば昔はそんなことがあったね…。
私はメイ。…今は、私が学生だった頃から、約10年ほど経った時の時系列。正確には…。7年後?
メイ)…。先生のおかげで、私は、この学校で美術教師になる決心がついたんです。
サキ)ふふ…。そうなんだね…。
そう、私は美術教師になったのだ。サキ先生と同じ学校に勤務している。…本当にこの先生にはお世話になったもん。
メイ)…本当に、私が学生の頃は、お世話になりました。
サキ)ふふ、私も嬉しかったよ…。メイちゃんが美術部に入ってくれたことから、今があるものね…。
先生とは、今なお交流を続けている。休日は、一緒に出掛けたりすることだってある。
サキ)あ、メイちゃん。今度の休日暇かな。
メイ)え、ああ、暇だと思います。
サキ)一緒に美術館でも行かないかな。
メイ)いいですね。行きましょう。
こういう風に、先生の誘いでいつも休日に出掛けている。一応私も夫はいるけど、多忙だから休日もあまり遊ぶことないんだよね…。
メイ)…それにしても、想像以上に教師の仕事ってブラックですね。
サキ)そうね…。でも、美術が好きな身としては、この仕事はやりがいがあるかな。
世間にも広まってる通り、教師の仕事は、たとえ副教科だとしてもそこそこブラックだ。定時で帰れる日もあるけど、結構残業とかあるし、あんまり休みとかも多くないからね。だから、こういう貴重な休みは大事にしないと。
メイ)あ、では今日は私は帰らせていただきますね。おつかれさまでした。
サキ)うん、またね。
休日
メイ)えっと、集合場所は…。あ、あそこだ。
今日は、約束通り、先生と美術館に行く日だ。楽しみだなあ…。
メイ)先生、まだかなあ…。
楽しみで集合時間30分前に来ちゃった。
サキ)あ、メイちゃん。
メイ)先生ー。
私は先生を見つけて、手を振った。先生は私のところに歩いてくる。
サキ)メイちゃん、集合早いね…。
メイ)あはは…。私が早いとはいえ、先生が遅いと、また昔のように通り魔に襲われたんじゃないかと不安になります…。
サキ)はは…、あれはちょっと痛かったなあ…。
メイ)あはは…。では、行きましょう。
サキ)そうだね。
私は先生と美術館に入った。
メイ)これは…。
サキ)綺麗な絵だね。なんでも、この人物は、人間の姿と魔物の姿を持っているみたいなんだ。癒しを与えてくれる魔物として、ね。
メイ)なるほど…。
サキ)この人物は…。グランゼドーラ王国と呼ばれる国で、勇者として讃えられていた人物だね。
メイ)えっと、アンルシアでしたっけ。
サキ)…いや、違うよ。
メイ)え…。あ、あの人か。
先生との休日はあっという間に終わった。
メイ)本日は楽しかったです。ありがとうございました。
サキ)うふふ、よかった。また行こうね。
メイ)はい。
こうして、私たちは美術館を後にした。
続く