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家具マニア

せいや

[せいや]

キャラID
: WV822-335
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 旅芸人
レベル
: 138

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せいやの冒険日誌

2020-10-28 20:45:15.0 2020-10-30 22:11:22.0テーマ:その他

憂鬱な夜

すべてが憂鬱だった。なにもかも、成績懇談会のせいだ。

成績の悪い生徒なら、その響きは皆恐れるはずだ。親に嘘をつく者、正直に言う者、十人十色ではあろうものの、この日を嬉々としている者はそういないだろう。いるとしたら成績が非常に良い者か、はたまた余程危機感のない者かも知れない。

次がある、今回悪くても大丈夫、だなんてその場しのぎのような言い訳はもうたくさんだ。所詮、多くの人間はその時さえよければいいという精神を持ち併せている。次の試験の成績がよくなるか、次の次の試験がよくなるか、なんて選択で、後者を選ぶ人はそういないだろう。自分だって前者を即答するはずだ。

学校にいる時間も、その焦りは生じていた。欠点があることは申告している。ならばもう怯えることはないだろうと思うかもしれない。しかし、あくまでも「欠点」がないだけである。欠点がなくとも点数自体がギリギリの科目はばれることになる。それがある意味本当の憂鬱の根元なのかも知れない。授業は決して楽しくない。しかし、終わればさらなる憂鬱、絶望が待っている以上、授業は至福の時間と信じてやむしかなかった。

部活とはしんどいものだ。今日なんて特にしんどかった。願わくば早く終わってほしいものだ。成績に焦る先輩は、私を励ましてくれる。心強い?否、人は人だ。いくら成績が悪い人が多くても、自分の成績が悪かったという事象は残る。励ましなど、今後の憂虞に浸っている自分からすれば無力にすぎなかった。部活が終わる。しんどいけど帰りたくはなかった。

奇しくも小学生の時期の友達と、駅で再会した。感動の再会、なんて言うものだが、この際そんなことに感動してはいられない恐怖感が、既にそこまで迫っていた。友達と喋りながら、ゆっくりと歩く時間を、金で買ってまで欲しいとこれほどまでに思ったことはあるだろうか。まさに、時は金なりであろう。友達のルートに沿っている以上、道のりは本来より遠くなっているはずだ。しかし、その遅延を、「友達との会話」は、余計に短縮しているように感じた。

ああ、なんて綺麗な街並みだろう。絶望を感じていると、普段考えない美意識に心が行くものである。マンションの個室のライト、電柱の照らす街道。普段は気にもしないのに、今晩に限っては彼らも張り切っているようだ。

いくら嘆こうとも、必ず家にはついてしまう。いつも疲労で早く帰りたいのに、今晩は帰りたくなくて仕方がなかった。親と手を繋いでいる子の無邪気な笑顔を見て、小学生、中学生の頃はなんと気楽だったか再認識させられた。社会人になって、高校生の頃は気楽だった、なんて考えるのかもしれないが、今の自分には想像もできない。

家までおおよそ3分…。刻一刻と、その時は迫っていた。いつもはその時にあとちょっとと、道のりか少し遠くなるものだ。しかし、その錯覚は今晩に限って起こらないものなのだ。自発的なものである以上、自分の手ではどうしようもない。車のスピードを、今晩ほど手にしていなくてよかったと安堵する日も、そうそうないだろう。

ついにマンションのロビーについた。ゆっくり、一段ずつ階段を上がる。段数は少なくとも、ゆっくり上がった。そしてエレベーターを見つめる。帰りたくないなら、階段で帰ればよかったかもしれない。しかし、階段で帰れるほど、身体的にも精神的にも余裕がなかった。幸か不幸か、エレベーターの階数は、ロビーを示していた。反射的にエレベーターに乗り、ボタンを押す。ゆっくり上がるエレベーターなのに、まるで倍速しているかのように早く感じた。

扉は開いた。もうどうにもならない。所詮今日だけ。だなんて思えば気も楽かも知れない。しかし、その今日だけがいかに恐怖か、それは最早名状できるものではないのだ。鍵を玄関の扉に刺した。ゆっくり開けて、自分はゆっくり玄関に入ったのだった。
                               終わり
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