「なあリウ、お前、学校って知ってる?」
「が、学校…?」
リウとルマは、机を囲ってお喋りしている。机といっても、リビングではなく、ルマの部屋の中央に、ポツンと置かれている小さな机だ。
「なんでも、おれたちくらいの年齢の子供たちが毎日集まって、勉強をするんだって。」
「へえ、何か面白そう。」
「んでさ、その学校って、夜に行くと、七不思議っていう、お化けみたいなのに会えるらしいんだ!」
「…!」
リウは、そのルマの発言に興味を示した。意外と怖いもの知らずな性格なのかもしれない。
「んで、この街外れに、つい最近廃校になった学校があるらしいんだ。」
リウは、興味津々にルマを見つめていた。
「行ってみようぜ。今日。」
ルマの、予兆はあったものの、突然の提案に、リウは驚いた。そして、賛成の眼差しで、ルマを見つめた。
「よし、そうと決まれば早速準備しようぜ。」
ルマは、自分のリュックに、懐中電灯やらクッキーやらマンガやら、彼からして使いそうなものを詰め込んでいった。リウから見ても、明らかに使わなさそうなものも含まれているが、気にしてはいけない。
「…あ、親には何て言うの?」
その問いに、ルマはハッとした。
「うーんまあ、こっそり抜け出したら問題ないだろ。」
リウはハッとはせず、パッとしない顔をしたが、しぶしぶ頷いた。
「よし、そろそろ、夜に備えて寝ようぜ。」
「う、うん。何時に起きるの?」
「午後11時にアラームかけとく。」
「分かった。」
そういい、二人は一緒にベッドに眠りについた。このちょっとした好奇心が、後々悲劇を生むことになるとも知らずに…。
続く