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家具マニア

せいや

[せいや]

キャラID
: WV822-335
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: 旅芸人
レベル
: 138

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せいやの冒険日誌

2022-02-11 01:44:10.0 テーマ:その他

[呪校怪談]第26話 こみあがるもの

私は、ペトラの家を通り過ぎて、しばらく立ち止まっていたんだ。往復していたから、ルートに沿えば、そこからはどんどん家からの距離が遠ざかってしまうから、最後に見ていたかったんだろうな。そんな時だった。その家から、一人の女性が出てきたんだ。私は、その人にどうにも見覚えがあったんだ。そりゃそうだよね。
「…あら?あなたは…。」
その女性は、私と目が合うなり、玄関を閉めるのも忘れて、一心に私の方に駆け足で寄ってきたんだ。私は、この奇怪な現象に、ついあ然としてしまったよ。
「あなたは…エマちゃん?」
「…はい、そうです。ご無沙汰しています。」
そう、彼女は、ペトラのお母さん。彼女の家には遊びにいったりもしていたから、面識は普通にあったんだ。
「こんな所に、用事もないのに来るなんて珍しいわね。ほら、上がって上がって。」
「え、あ…。」
私は、半ば強引に、お母さんに引っ張って家にいれられた。まあ、別に用事が後々あるわけじゃなかったし、いいんだけど。ただ一つの事象が消えたこの家は、まったく変わっていない。私からしたら、雲泥の差だけど。リビングのテーブルに、招かざる客の席が2つあった。私はそこに落ち着いて、しばらくボーッとしていたよ。何か考える気にもならなかったし。…いや、考える気になれなかった、の方が正しいかな?
「はい、これどうぞ。」
お母さんは、オレンジジュースと、ドーナツに、チョコレートケーキの欠片の乗ったプレートを用意してくれた。でも、それを片手でしか持っていないことに、嫌におぼつかなさを覚えたけどね。
「…わざわざありがとうございます。」
私と対極に座った彼女に、そうぼやいた。家に上がったはいいけど、案の定会話は全然弾まなかったよ。そんな私は、異質な切り口を作ってみたの。
「…あの、お母さん。」
「うん?」
「その…ペトラは、私に対してどう思っていたのですか?」
自分でも、何を言っているのかよくわからなかったよ。でも、これこそ私が本当にしたかった質問だったの。お母さんは、しばらく黙っていたよ。質問内容の整理か、回答の整理かは定かではなかったけど。
「ペトラは、エマちゃんのことをすごく気に入ってたわよ。」
期待などしていなかった回答に、私は口に含んでいたドーナツの噛み方を忘れてしまった。私が、地味というか暗いというか、そういうのは自分でも分かってた。月と太陽が同刻に出ることは基本ないでしょ?
「そ、そんな…。本当ですか?」
私の震えた声に、お母さんは微笑みながら頷いてたよ。正直、信じられなかった。仲がいいから、当然といったら当然かもしれないよ。でもさ、どこの世界でも、明るい人と暗い人の天秤は常に明るい人に重きが置かれているものだもの。
「あの子はね、毎日、エマちゃんと何をしたかとか、楽しそうに話してくれてたわ。」
そ、そうなんですか…。
「今日はこんなことがあったーとか、こんなことしたーとか。その話には、必ずエマちゃんがいたの。」
私は、黙ってきくしかなかったし、できなかった。私には、どうにも不可解だった。あの子なら、私なんかじゃなくて、もっといろんな子と仲良くできるはずなのに…。
「ペトラは、私以外の子とも遊んだりはしていたんですよね…?」
正直この答えは、否定してほしかった気持ちもあったけど、肯定してほしかった気持ちもあった。…いや、なんなら後者の方が強いかもね。
「あの子は、ほとんどエマちゃんとの話しかしなかったわね…。」
私の心に、強くヒビが入ったのを感じたよ。お母さんの話は、当時の私にとってはありがた迷惑もいいところだった。そもそも話の発端といったら私だけど…。「…お母さん、こんなこときいていいのか分かりませんが…。」
私は意を決して、禁断の領域に踏み込むことにした。目からは、光を消し、感情を押し殺し、ある一点に思考を集中させた。そして、私は、後戻りは許されない世界に身を委ねた。
                      続く
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