最悪だ。人生とはあまりに無情だ。辛い辛すぎる。俺が何をしたというんだ。奴は、法則もなく奇襲を仕掛けてきては、俺に絶望を与える。今生きているのが本当に辛い。
平穏な日常を送りたい。ただそれだけなのに、奴だけはそれを許してはくれない。前世の過ちへの贖罪か?とにかく、絶望以外どう表せばいいか分からない。あまりにも痛い。とても痛い。奴が存在する限り、いつ何時でも、奴はこの痛みから解放してはくれない。ふらっと現れ、ふらっと消え去る。そんな気まぐれに対して何故ここまで恐怖しなければいけないのか。俺には分からない。
原因?そんなの特定できるわけない。言ったはずだ。奴は突如として現れ、罪もない人々を苦しめるのだ。それも一日やそっとじゃない。奴の気が変わり、そろそろ終わりにするかと思った時だけ。少なくとも数日単位で解放されるようなものではないのだ。その間、俺を含めた被害者はずっと奴の悪戯に付き合わされなければならない。生地獄だなんて表現は大袈裟と思われるかもしれないが、十分差し支えない範囲であろう。
そしてたとえ奴から解放されたとしても、忘れた頃、いや、忘れていない頃でさえすぐに奴は仕掛けてくる。ましてや大きな個体、複数体を連れてくることもある。こうなれば地獄だ。通常個体と比にならない苦しみを味わうことになる。大きな個体や複数体いるからといって、期間が短くなるようなことなんてない。奴に攻撃された以上、それがどんな個体であれ、被害者は耐え続けないといけないのだ。
いっそのことこんな痛みも受け入れる方がいいのかもしれない。そもそも痛みの定義とは何か。どうして人間は、痛いと思うのか。そもそも痛いというのは、何を考えた時その結論に至るのか。考えてみれば、哲学的でもしかしたら面白いのかもしれない。痛い、と一概に言っても、どうしてそのように考えるのか。そこには様々なプロセスが生じているからだ。しかし、結局そんなことを考える暇もなく、俺は痛みにまた襲われた。
本当に辛い。神様、俺のことを見ているなら、今すぐにでも解放してほしい。俺が何をしたと言うのですか。私はそこまでの大罪をおかしたというのですか。けれど、いくら嘆いても、残念ながら俺の悲痛な叫びは届くことはない。すぐには収まらない以上、収まるのを待つしかないというのが非情だが現実。そして俺は、1日でも早く解放を待つのだった。
まあただの口内炎やけど。