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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 133

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アスカの冒険日誌

2019-09-15 21:24:52.0 2019-09-15 21:25:38.0テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第4回-2~英雄への道筋 (後編) ~」

(注:続きものです!)

「そこのデブッチョ!待ちなさい!!」
大声が響いた。

その声を聞いたボストロールの手が止まる。妖精二人が
いた茂みの先に、黒髪の女性が手を腰にあてて、
胸を張って立っていた。

「え?」
不意の幸運。ぱにゃにゃんは、周りの状況を確認し
マユミの手を引いて、女性の方に飛び、隠れた。

「か弱い妖精さん達をいじめているなんて、未来の英雄
たるアタシが許さないわ!」
と叫び、背中に携えていた大剣を抜き、ボストロールへ
戦いを挑む。

「ま、待ちなさい!そのトロルは、魔瘴に侵されているの!
一人じゃ危険よ!」
言葉は届いていないのか、止まらない。

「ぱにゃ!あの子聞いてないよ!」
「もぅー!マユミ!行くよ!」
「うん!」
と言い、二人も追いかける。女性は、ボストロールの
攻撃をかわしつつ、スキを縫ってを一撃加えて行く。
が、魔瘴に侵されたその体には大したダメージに
なっていないようだった。

「なに、このトロル?変だわ」
「そこのあなた!」「まってー!」
二人が女性の所にやってくる。
「かいりよ!妖精さん達は逃げてて!」
「妖精さん?私はマユミ。こっちはぱにゃにゃん」
「じゃなくて!あのトロルは魔瘴に侵されているの!
普通じゃないの!」

そう話していると、ボストロールは手を腰に落とした。
かいりはそれを見て、
「二人とも下がって!」
「待って!それは!」
ぱにゃにゃんが制止する前に飛び出し、かいりは、
その張り手を直接受けてしまう。宙を舞い近くの樹木に
叩きつけられる。

「かいり!大丈夫!?」
「だい・・・丈夫!英雄になるアタシは、簡単に・・・負けないわ!」
と言いながら、ふらついていた。ボストロールはジリジリと
三人に向かって歩いてくる。
(このままじゃ、この子も私たちも殺されちゃう・・・!)
ぱにゃにゃんはマユミの方を見る。意図を感じとったのか
マユミも頷く。

「かいり、私たちと”フォームリンク”しましょ!」
「フォームリンク?」
「私たちの力を付与するの、並大抵の攻撃じゃあいつは・・」
「やりましょう!」
ぱにゃにゃんが何か言う前に、かいりは曇りない目で快諾する。

「とりあいず深呼吸して!」
言う通りにして、深呼吸する。二人は左手を
かいりに向けて付き出すと
「「フォームリンク!」」
と叫び、青い光を放ち、かいりの中に入って
行くように、体が粒子になって消える。
「なんだろ・・・力が!」
「いきましょ♪」
かいりの中からマユミの声がする。
「え!喋れるの!?」
「気にしないの!さぁ行く行く!」
今度はぱにゃにゃんの声もしてくる。

リンクしてもらったかいりは近くに落ちていた大剣を拾い
構える。ボストロールは、こん棒を振りかぶりながら走ってくる。
自分に満ちている力を感じとり、大剣を片手持ちし
「今なら、勝てる!」
動きに合わせて、振り下ろされるこん棒を受け流す。
そのまま腕をかけあがり、大剣を振り回し、腕や肩を切り裂き
背後に回るように大きくジャンプする。

「かいり!ヒャドを撃つよぉ!」
マユミが言い、かいりは左手をつきだす。
「「ヒャド!」」
二人が言うと、ヒャドとは思えない量の無数の氷の刃が手から放たれる。
その刃はボストロールの体に刺さり、凍らせて行く。
「マユミ!?今の何!」
「え、普通に撃っただけだよ~?」
ぱにゃにゃんが驚いている間に、ボストロールの氷の
オブジェが完成する。

「よく分かんないけど・・・アタシは決めるよ!」
「色々気になるけど!良いわ!行っちゃいなさい!かいり!」
ぱにゃにゃんが言うと、かいりは地面を踏みしめ、大剣を高く掲げ
力を溜める。その間に、オブジェになっていたボストロールが
氷を砕いて出てくる。

「わわ、這い出してきたよー!」
マユミが焦る。その焦りを吹き飛ばすように
「全!身!全!霊!斬りぃー!!」
大きな力の塊になり、何倍にも延びて太くなった大剣を、
かいりは叩きつける。

ボストロールはそれをこん棒で防ごうとしたが、それを容易く
へし折り、その体を真っ二つに切り裂いた。

「や、やったぁー!」
かいりは大喜びで跳び跳ねる。
「フォームリンク、大成功!」
「やったね♪ぱにゃー♪」
そのかいりの中から二人も飛び出して
ハイタッチする。

そして喜びも一段落して、かいりは自分の怪我を
二人に治してもらい、
「それじゃあ、アタシは行くわ」
「休まなくても良いの?」
「そんな事してる余裕なんかないわ、英雄になる
アタシに休息なんかはないわ!」

そう言って立ち上がり、かいりは歩いていった。

その姿を見た妖精二人はお互いの顔見合わせて、
頷き合うとその背中を追っていった。

(ごめんなさい。もう少し続きます。ラストシーン+あとがきへ)

つづく
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