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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2019-09-23 22:09:33.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第6回-1~職人たちはいつも真剣~」

ヴェリナード城 ある通路の空洞

そこをカツカツとハシゴを降りる二つの影がある。
「副指令官さん、このハシゴどこに続いているんですかい?」
「ロマンさんにこの下にあるものを見せたいんです。まだ
完成してませんが・・・・」
それはアスカとロマンだった。

二人がハシゴを降りきり、床にスチャと足をつけると
アスカが近くの壁を手をあてて探り、そして何かを
探り当てるとガコッと壁の一部が沈むと音を立てて
扉のように開いた。
「こっちです。中へ」
アスカに促されて、ロマンは入る。

そこは、部屋というには余りにも巨大でまるで
造船するための工場のような空間だった。様々な種族の
職人たちがそこらじゅうで忙しなく作業をし、
二つの巨大な魚の形をしたものを作っていた。
「ほえーこりゃまたスゲぇ場所だな」
「ここは王国の極秘地下工場。私やロマンさん、突入部隊に参加する
冒険者たちを乗せる潜水艦を建造しているんです」
「なるほどねぇ、これが俺っち達の”足”っていう訳だな」
話しているといると、

「やっと見つけた!ロマン!」
「ん?突然、俺っちの名前を呼び捨てにするのは・・・!」
と二人のもとへ小柄な体駆のドワーフの女性が身の丈に合わない
長いハンマーを右肩に担いで持って、歩いて来ていた。
「”あおい”!?お前、何でこんな所にいるんだ!?」
「こんな所って・・・!私は突撃部隊に志願してここに来たんだ!」
ロマンが驚き、世間話をしているとあおいが急に呆れたような
声音になり

「・・・・ところであんたの師匠に会ったよ」
「師匠に?」
「怒っていたよ。突然、仕事を放り出してどこかにいって、
行方知れず。最近、ヴェリナード王国で何かをしているって
噂があるから・・・」

そう言いながら、捲し立てるような剣幕で迫り、ロマンに向かって、
ハンマーを突きつけて
「もし会うようなら・・・!”手紙の一つでも書いて送れ!”と
伝えろって言われてたんだ」
「し・・・師匠がそんなに・・・」
「全く・・・これが職人界最高峰の一角”魔法建築工房「OZ」”の名を
背負っている男だと思うと泣くわ。」
あおいが言うと、ロマンがピクッとなる。
「おやおや、それは聞き捨てならねぇーな?」
「な~にぃ~?いつかの勝負でもやろうってかい?」
二人が臨戦態勢に入る、

「あのぉ?お二人とも?・・・あおいさんは、作業の続きを。
ロマンさんは・・・潜水艦の紹介をしても・・・?」
困ったような顔になりながらアスカは声をかけるが、
聞く耳を持っていなかった。

すると、突然ガコン!と大きな音と何かが崩れる音がした。それに
三人は驚いて振り向くと、高く築かれた作業台が床に倒れ込んで
しまい、作業をしていた何人が巻き込まれていた。

「いったい何が!?」
アスカはすぐに走っていく。しかしその後ろから、喧嘩していた
二人が、風を切るほどの素早い速度で追い抜いていく。
「えっ!?お二人とも!?」
アスカの声に一切反応せずに、倒壊現場に先にたどり着いた二人。
「どうしたんだい!」
「それが・・・作業台が突然・・・!」
ロマンは近くで腰を抜かして、座り込んでいる人間に説明を聞き、
「そこお前ら!手伝え!協力して埋もれてる人間を助けるんだよ!」
「「は・・・はい!」」
あおいが的確に近くの職人をまとめあげ、手早く助け出す。
その状況にアスカは呆気にとられている中、
「副指令官!・・・救護班呼べないか!?」
「・・・!はっ・・・はい!すぐに呼んできます!」
あおいに言葉に気を取り戻して、すぐに駆け出していった。


ーー
ーーー

二人の迅速な対応で、職人たちの救出と怪我の手当ては
すぐに済んだ。
「おうおう、よかったよかった!」
ロマンが胸を張って、嬉しそうに笑っていた。
「さっきまであんなに喧嘩していたお二人が、絶妙な」
「あ?・・・喧嘩か」
あおいも、同じように嬉しそうに歩いて来て
「私たち職人は”自分の誇りや技”に対してはいつも真剣なんだ」
「だから、ケチをつけられたら、怒りもするし喧嘩もするが・・・」
「現場での”事故”の時は、そういうのも抜きにして迅速にやるんだ」
「俺っちも師匠からは、自分の誇りや技以上に”命”を大事にしろって
教えられている」

そんな事を語る二人を見て、アスカは微笑んだ。
「さてと・・・人数が減っちまったな・・・」
「じゃあやるしかないな」
すると、騒ぎで散らばった職人たちに声をかけて話し合い、
二人を中心に作業が再開されていった。

「あ!・・・ロマンさん、案内・・・ってもうしなくても良さそうですね」
そういってアスカは、その場を後にしていった。
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