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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 133

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アスカの冒険日誌

2019-10-11 00:46:16.0 2021-04-11 20:12:39.0テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第10-3回~遺跡の攻防戦(後編)~」

(注意:第10-2回の続きです)

と、マージンが告げると二人は
「よし」
「ふぅーなんとかなり…」
マイカが胸をなで下ろしかけた時、ゴゴゴゴと
部屋全体が揺れ始める。

「え?」
フツキは頭を押さえて、肩を落とす。
「ありゃ……爆薬が多すぎたかな?」
「えーと、どういう事でしょうか?」
とマイカが聞く。

「とりあえず…」
マージンは、入り口に向かって振り向き
そして大きな声で、
「ここから逃げろぉぉぉぉぉ!!!」
と同時に、部屋が崩れだした。

「あぁぁー!貴重な歴史的資料がぁー!」
と三人は、崩れゆく図書庫から逃げ出していった。

その後、一夜にしてウルベア地下遺跡がある山の一部が
陥没したとの報告が流れ、ドルワームから調査団が派遣され、
調べられる事になるのは別のお話。



命からがら遺跡を脱出し、ガタラまでの帰り道。

「いつも言ってるだろ、キミは加減がなさすぎるって」
「そう言うなって…あ、すまない。そんな潤んだ目で俺を
見ないでくれ、マイカさん」

命は助かったが、あの図書庫にあった資料は読んだ所
どれもこれからのアストルティアの技術を躍進させるもの
ばかりだったと言われていた。

「それが…全部…吹き飛んだ…。」
マイカは脱出以降、泣きそうな表情のままだった。
それを後ろから見ていた二人は
「どうするんだい?雇い主は、かなり落ち込んでいるぞ」
「そんな事いったって、今から戻るわけにも…」

そう話している間に、ガタラの入り口にたどり着いた。
二人の契約では、街に送り届ける所で全て終了となり、
雇い主から報酬をもらうことになっている。

「えーと、マイカさん。今回は…」
マージンが聞きづらそうに尋ねる。マイカは顔少し拭った後に
「…報酬でしたね。ちゃんと用意してありますよ」
「は、え。でも失敗では?」
「何いってるんですか?成功ですよ。」
と、マイカは自身の鞄から、本を取り出す。

「色々勿体なかったですが、これを手に入れたかったんですよ」
「また、古い本ですね」
マイカは杖を背中に収めると
「これは”幻闇の魔導書”。大昔のさる大国を一夜にして幻と闇に
包み滅ぼした恐るべき本です。」

「そんなのものが!しかしなんであんな所に…。」
「これ以上は……私の仕事の関係上お教え出来かねます。」
そういうと、鞄から少し大きめの袋だすとマージンに手渡す。

「お、おい!これ、聞いていた報酬より多・・い?」
言った時には、マイカの姿は無かった。
「フツキ!マイカさんはどこへ!?」
「いや俺も、見ていなかった…。」

二人は先程まで目の前にいた少女を探すが、
街の中にまで入っても見つからなかった。
「いったい、俺たちは何をさせられたんだ…?」
「雇い主の情報をみだりに詮索するのはやめよう」

「……そうだな。そういえば、ダンに紹介された
あの冒険者を集めて行う作戦の期日はいつだった?」
「確かまだ、先だったな。今回の依頼でかなり消耗したし
準備期間や休息も含めるとそんな時間ないぞ?」

フツキが話していると、マージンはニタっと笑い
「よぉし、すぐやるぞ準備。それが済んだら、アレ探しやるぞ…」
「またか…キミは本当に懲りないな。」

そういって二人は、ガタラの駅の中へ消えていった。



ここは、岳都ガタラの一番高い場所の展望台。

そこには大きな紫の魔法陣が描かれており、その中心には
本が、そして陣の前にはマイカが立っていた。
「マージンさん・フツキさん。ごめんなさい、これは
あらゆる者の手には触れてはいけないもの。そして、
早くこれを焼き付くなければ!」

マイカの周りには10の火球が出来上がっていた。

「ほぅ?ではそれが、我の探しし本か?」

声をかけられ、振り向いた瞬間。マイカの意識は落ちた。

「第10-3回遺跡の攻防戦(後編) 完」
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