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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2019-12-27 14:33:04.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第36回~エゴート団の最終目的⑪~」

これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。

日常、それはいつもそこに有るからこそ幸せである。
だけど幸せすぎるのも考えものだったり?

ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある冬の昼下がり。ここはヴェリナード城のとある執務室。
普段、そこは部屋の主の副官である女性の苦悩の声が聞こえるが
今日はそうではなかった。

部屋には、季節に合わせてか炬燵が設置してあり
そこでくつろぐ主、ロスウィードの姿があった。彼は炬燵に置かれた
ミカンを手に取ると、それを慣れた手つきで剥いて身を一つずつ
口に入れていく。

「今日は、何事もなく平和だな・・・」
すると、コンコンと扉がノックされる。返事を待たずにすぐに
開かれる扉、そこには湯気が立つ湯呑みがのったトレイを持った彼の副官
アスカであった。
「総司令、飲み物をお持ちしましたよ」
そう言うとそそくさと近くまでやって来て、炬燵机の上に飲み物を
置いていく。
「アスカ。今日、俺がやる必要のある仕事はないか?」
「いえ、ありませんよ。全部私がやりましたので、総司令はここにいるだけで
十分です。だから安心してくつろいじゃって下さい」
「そうか、ならばそうさせて貰おう」

そう言うと、ロスウィードは体を炬燵毛布の中に潜り込ませ
流れ行く時間に身を任せた。



そんな日が何日も続いた。時おりロスウィードが外へ出掛けようとすると
止めに来るわけでもなく、一緒に出掛けるかのようにアスカもついて行った。
しかし彼は、その状況に特に不信感は無く日常的な事のように受け入れていた。

ある夜。いつものようにロスウィードは炬燵でくつろいでいた。すると
扉がノックされ、そして返事もなく開かれ、今までと同じようにアスカが
飲み物に加え、食事まで持ってきていた。

「おぉ~今日は豪華だなー」
「配給のコックさんが凝りすぎたらしくて、
王族の皆様だけでは食べきれない量らしくて、城じゅうのみんなに
配ってたのもらってきたんですよ」
「ほぅ~なるほどな。」
ロスウィードは並べられる食事の数々を眺めながら、アスカに

「そういえば、近い日に近隣の魔物の分布調査に出る予定になっていたんだが
何か聞いていないか?俺じゃないと厳しい地域らしいとかなんとかとな」
「はえ・・・えっと・・・私は聞いていませんよ?」
「ほうー?おかしいなー?俺の予定は全部一度
”アスカ君を通される”はずなんだが、確認し忘れた・・・なんて事はないな?」

ロスウィードは、疑いの眼差しでアスカを見ながら話す。それに対して
「確認してきます」
と、俯きぎみに言い残して部屋を出ていった。彼女が
帰ってくるまでの間並べられた分の食事を食べ始める。食事は、
話に聞いていた通りのとてもおいしいもので、味わいながらゆっくりと食べる。

そんな彼の背後に静かに近づく人影。その手には、暗殺に適した適度な
長さのナイフが握られていた。そろりそろりとゆっくりと距離を詰めていく。
そして、その背中にナイフを突き立てるに十分な位置に来た所で構える。

「ガハッ!」
突如、女性の声が漏れた。その腹には、剣の柄の部分が押し当てられていた
「な・・・ぜ、分かった?」
そう言い放つ、人物はアスカだった。

「俺がよく知るアスカ君は、自分の分の仕事はしっかりやるが
”俺の仕事までやらない”。”予定管理もきっちり”してるんだ。
いつもしつこい位にな」
「そんなバカな…!お前は確かに惑わされていたはず…!」
「あぁー楽しかったよ。もう一人俺の身の回りの世話をしてくれる
クレアには敵わないが、自分の副官にこんなに好待遇で、色々して
もらったのは良い気分だった」

そう話しながらロスウィードは立ち上がり、すまし顔で自身の剣を
抜き、うずくまっているアスカに向ける。
「さて…夢の時間は終わりだ。ここには、幸せはあるが…明日は無い。俺は
得られるもののない悪夢に用はないんだ。」

「ま、待て!ここにはお前の求めるものがまだあ・・・る!」
と突然、声音が変わり、突然命乞いをはじめる。しかしロスウィードは
それに一切答えず、洗練された剣の一閃を持って、自身の副官に化けた
偽物を斬り捨てた。

すると、ロスウィードの周りの空間が突然湾曲し、ねじ曲がっていき
そして光となって消えていった。



空間が戻り、場所はロスウィードがリンドウ達と一緒に突入した
エゴート団のアジト内部だった。
「ようやく戻ったか…!」

続く
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