これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
眠りと夢に閉ざされたウェナ諸島
他大陸からは謎の現象として認知され、調査のため
飛び込んでいった者は帰ってこず、連絡もとることが出来ないため
あらゆる交易網が遮断された状況となっていた。
☆
ヴェリナード領北のどこか。
「う・・・うーん」
と、声をあげながら起き上がるのはアスカだった。目をこすりながら
周りを確認する。そこはエルトナ大陸でよく見かける和風の建物を
思わせる造りと生活用品が置かれていた。さらに自分の前の囲炉裏には
火が焚かれた後があり、白い煙が真っ直ぐと上に延び、石で造られた
天井に当たり広がっていた。
「ここは・・・いったいどこなのですか?」
声を上げると
「アスカ、起きたか」
近くでロスウィードが座っていた。そしてその隣には、
自身の上司の倍以上の体の大きさをし、猛々しいたてがみとも
思える毛をたくわえ、エルフの誰もが持つ透き通るような羽を持った
大男が座っていた。
「おう、ようやく目ー醒ましたか」
「総司令。それにあなたはいったい誰ですか?」
「ワシか?・・・ワシは”真の太陽”の団長”シャクラ”ちゅーもんだ。よろしくな」
と、アスカは目の前の人物の名前を聞いた瞬間。動きがピタ止まりし
「え・・・えーーー!!シャクラって!何百年も前の人がどうして、
総司令の隣にいるんですかぁー!?」
「どうしたんだアスカ君。そんなに取り乱して…
とりあいず”これ”で落ち着くんだ」
と言いながら、どこに居たのかスライムをアスカに手渡す。
「あープルプル気持ち良いですねー…ってなんでスライムなんですか…」
ほっぺを膨らませながら、それでも落ち着くのか抱いたまま離さない。
そんな二人のやり取りに、シャクラは愉快に大声で笑う
「総司令殿ところの副官殿は、愉快じゃけな!」
「もぅ総司令が変なタイミングでスライムを渡すから…」
「まぁまぁ、落ち着いただろ?」「まーそうですけどね」
ひとまず平静を取り戻したアスカはスライムを軒先に逃し
総司令の横へ座る。
「ところで、副官殿。先程、ワシの言葉を聞いて驚いていた
ようだが、一体どういう事じゃけ?」
「”紅天のシャクラ”。これは私の妹が、ルシナ村に立ち寄った時に
その長老様から聞いた勇士のお名前です。」
「ほぅ…で、こちらのシャクラ殿がここにいるのが?」
「おかしいです。シャクラさんの最後は妹からも聞いてませんが
少なくとも500年も前の人物。私達と出会う事はありえないのです…」
「ふむ、そういう事か」
アスカの話す事に思う所があったのか、シャクラは立ち上がり
家の入口へ向かっていく。
「どうしたんですか?」
「その長老様ちゅうのはこの人の事じゃけか?」
外から誰かを呼ぶような仕草をする。
「よう!お主があの魔法使いの娘っ子の姉かい?」
と、ルシナ村の長老であるオルカンが杖を軽く
クルクル回しながら家に入ってきた。
「へっ!?…ルシナ村に居るはずの長老様がなぜここに!?」
「なーに言っとる、ここは間違いなく”ルシナ村”じゃ!」
「はへ…!?もう何がなんだか、私にはさっぱり。」
奇妙すぎる状況に、アスカは頭を回し始める
「それについては私が話してやろう」
と、リンドウも入ってきた。
「リンドウさん!……無事だったのですね!」
「あぁ…そちらのシャクラ殿が私達を助けてくれたのだ。」
「まぁなんちゅうか、帰りゆう時に魔物に襲われていた
お前たちを見つけて、飛び込んで助けた感じじゃけ」
コクコクと頷き、助けた時の状況をシャクラが語った後に
「そして今の状況だが、とても奇妙でな…」
話によると、ここは自分達の知るウェナ諸島であって
そうではない諸島である事。
今居る村は、作戦の発案者のギブの仲間である
”ソウラの故郷”であると同時に
500年前に大戦を戦い抜いていたという”真の太陽”の
勇士達が住む拠点とが入り混じっている状態であるとの事。
「そして…極めつけがアレだ」
リンドウは外の景色をアスカに見る様に促す。外へ出ると、
とても珍妙な光景が広がっていた。
彼女の頭に入ってる地理と今の光景が一致する部分としない部分、
さらに全くありえない状況とまでが重なっていた。
「う…海が壁のようになってる……!」
リンドウが話していた奇妙な状況とは、海がある場所まで
干上がっているが…ある所で途切れ、水が壁のようにそびえ
立っている事だった。
続く