これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なに?…あの突撃娘が見当たらないだと?」
ロスウィードは妖精二人の言葉を聞いて驚愕していた。
初めて見た時の印象から元気に満ち溢れている彼女がいない事に
違和感を感じた。
「…確かに頭領殿の連れていた中に見かけてないな…」
「そうでしょー」
「私達は最後、あの霧に包まれるまでずっと一緒だったの」
「むぅ…まだこれから誰が居ないのかとかも確認しなくては
ならないからな、ひとまずすぐ捜索できるように、声をかけるか」
ロスウィードは、すぐに捜索準備をするため。まずアスカに声をかけ、
そしてさらに呼びかけに応じた冒険者と集めていった
☆
ヴェリナード城の正面扉。
「と…言うわけで、アスカ。君には”捜索隊”を指揮してもらいたいんだ」
「……捜索の準備途中で突然呼ばれて来てみれば…お二人から
相談されたのは、総司令ですよね?」
「まぁ、そう口を尖らせるな。俺も行きたいのは山々なんだが、
ユナティ殿やシャクラ殿との様々な打ち合わせもある。早々ここを
離れられないんだ」
「むぅ…まぁ仕方ありませんね。」
彼女は、不機嫌そうだが最初に伝えられた内容から状況の深刻さを
理解しているのか、装備を一通り準備した状態で来ていた。
さらにその周りには、
先程合流した”ライオウ”が、腕組みをし静かに佇んでいる。
突入部隊の作戦に参加するために城下町の宿に泊っていた
と言う法衣まとった男性”テルキ”。アスカを見ながら、一礼する。
ライオウと同じく合流し、総司令に連れられてやってきたのか
あたふたする”ユウリ”その彼女の事を心配して一緒にやってきた”マシロ”
の4人に、アスカの周りには”ぱにゃにゃん”と”マユミ”が
ふよふよと飛んでいた。
「事の巻末はリンドウ殿にも話してあるが”夢の世界でもある以上、
どんな些細な可能性も想定して探してもらいたい”そうだ」
そう軽く説明をして、ロスウィードは”では打ち合わせに行くぞ”と告げ
全てをアスカに一任して去っていった。
「”どんな些細な可能性”も言うと…今の状況を鑑みても、常識の範疇で
考えてはいけませんな」
「そうだな。俺は夢を見て、起きた時は飲み込まれた場所と
同じトコには居たんだけどな。」
「…アタシ達も頭領に起こされた時は、そう違う場所ではなかったもんねー」
そう話し合いながら、妖精達からかいりとの冒険譚や思い出を聞いて
居そうな場所や行きそうなポイントを探る。
「かいりさんって、話を聞く限りホントにどこでも
行ってそうという印象ですね。」
「……もしかして、お家に帰りたいとか考えて帰ってるとか?」
ユウリがボソっと言い、そんな事ないよね〜とすぐに返して
次の話に移ろうとした時、
「なくはねぇんじゃないか?自分の住み慣れた場所に帰りたくないって
考えるのはよほどの事がない限りない。たとえ無意識下でも考えちまう
モンだぜ?」
普段の自分の仕事の事を思い描きながら、ライオウが言う。
「自分自身の住み慣れた場所…確かかいりさんの住んでいた
場所って…」
「親元を離れて妹と”岳都ガタラ”で生計を立てながら住んでたって
話してたわ」
「…となりますと、考えうる限り…彼女が今一番居そうな場所は
ガタラになりますな」
おおよその場所は定まって来たが、問題も出てきた。そうここは
夢に閉ざされた世界で、ウェナ諸島。今、この中にいる者達は
ガタラへ行く手段は無い。
「ユウリさんの考察が間違ってないにしても、方法がありませんね」
アスカが言っていると後ろから
「ここは夢の世界。見かた次第でなんとでもなるんですよ」
と突然若い女性が声をかけ、やってくる。
「んわっ!あんた、どっから出てきたんだ!」
「これは驚かせて、すいません。」
ライオウに深く頭を下げながら、謝る。
「まぁまぁー。それよりさっきの言葉はどういう事なの?」
「・・・とその前に自己紹介を…私はーそうですね”エム”とお呼び下さい。旅を
しながら占い師をしている者です。たまたまここは居て、巻き込まれたんですが、どうやら
特殊な世界のよう、もしかしたら夢の世界特有の法則が使えるんじゃないでしょうか?」
「夢の世界の法則と言いますと、”夢を見てるからなんでも出来ると”?」
「そうです、要するに”念じれば、自ずと道は拓ける”と言う事です…
早速で申し訳ありませんが、この中で探してる子に一番近しい方は
どなたになりますか?」
エムは周りに目を配りながら、聞いた。
続く