これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かいり自宅前
倒しても倒しても、襲い来る紅い魔物の集団。押し負けては
いないものの、徐々に疲れが見え始める冒険者達。
テルキは、周りの戦況を見つつ的確に回復呪文を唱え、ライオウ達の傷を
癒し続けている。
「まずいですな・・・相手の戦力に限界が見えてきません」
「確かに、一体一体の対処は難しくないけど、これをずっとって
なるともたないよっ!・・・めいどうふうま!!」
マシロは、印を切ると目の前に紫色の巨大な陣が描かれ、そこから
紫電とともに魔物達を大きな岩で突き上げる。
「お願い!クシャラミ!!」
ユウリの願いに答え、魅力溢れる踊り子の姿をした幻魔が現れ、
歌と踊りで、冒険者を鼓舞した。
「ありがとうなー嬢ちゃん!!」
ライオウは大剣を構え、襲い来る敵集団の中心に向かって飛び、
着地に合わせて、力強く剣を振り下ろし、その集団を一撃の元に
粉砕した。
しかし、状況はさらに悪化の一途を辿るのだった。
「おいおい・・・もっと楽しそうな状況になりそうだぜ?」
剣を構え直した彼が見たのは、ガタラの各所から湧き出る大量の
魔物の集団だった。
「あの数、さすがにアタシ達だけで受け止めるのは無理があるよ!」
「副司令官殿が不在の今、我々は逃げた方が・・・」
おのおのが不安に駆られ、弱気になりはじめ撤退を考えるが、
「逃げてどうするんだ?…誰が、あいつら助け出すんだァ?」
「だけど!あれ、どう対処するんだい!?」
すると、押し寄せてくる敵の集団の後ろで何かが弾ける音とともに
魔物たちが叩き上げられる。
「なんですか!」
「集団の中で誰かが暴れてる?」
「ドケドケェー!!」
「あまり飛び込みすぎないように注意してね!」
両手剣を振り回す野性味溢れるプクリポの声と女性の声が響く
「ウン、分カッテル!ダイクェーラノ教エタ通リニヤル!」
一瞬、気を抜いた瞬間に魔物たちが二人に飛びかかる。
二人の前に深緑の服に身を包んだドワーフ”ハじメ”が間に入り
手に持った剣で飛びかかる魔物を斬り伏せた。
「まだ来るぞ!気を抜くな!」
「助かったわ!」
「アリガトウ、ハじメ!」
そのまま3人は敵集団の中を荒らしていくように戦う。
「ありがたい!援軍ですぞ!」
テルキが嬉しそうに言う。しかしその後ろに赤いごろつきが
斧を振りかざしていた。
「後ろだ!」
棍で攻撃を防ぎながらマシロが叫ぶと、テルキは驚きを見せ、
とっさにかわそうと動いたが既に斧は振られ、攻撃が当たる事を彼は確信した
・・・・その直後!
ごろつきの背後に、人影が飛びかかり、一瞬のうちに
斬り伏せた。
「これは・・・」
テルキは誰がそれをやったか、すぐに把握した。
「全くスキが多すぎるよ?・・・バカ師匠」
そこには、エルフの女性”アヤタチバナ”が
斬り払った剣の汚れを飛ばして、腰に差し直していた。
「タチバナ君、良いタイミングだ」
「何が”良いタイミングだ”。あまり心配かけないで下さい」
テルキも立ち上がり、服の汚れを軽く払う。
「大丈夫でしたかぁー!」
別方向から、呪文で相手を蹴散らしながらブラオバウムや
シュペーア、シグナル、かむなび。そしてエムがやってきていた。
「エム殿!?…なぜこちらに!?」
「あなた方が旅立った後、私の水晶に不穏な影を見まして、心配になって
援軍の皆様と一緒にきたのですよ」
そう言いながら、さらに周りの敵が勢いを増していく。
敵集団の後ろから荒らしていたダイクェーラ・ガーティア・ハじメの三人も
中を突き抜けて合流した。
「俺たちがいつも戦ってる相手ほどじゃないが、得体のしれない力を持っているぞ」
「この魔物達は、おそらくこの空間を支配しようとしているボスの手下でしょう」
エムが告げる。その言葉に全員驚きを見せる。
「なーるほどな、どおりで斬っても斬っても手応えが無かったの訳だ」
「頭領殿!気付いていたのですか?」
「たぶん、アタシの攻撃も効いてないね」
それぞれの話を聞いて、エムは気付いた。
「…ところでご一緒に居た隊長さんと妖精の方はどちらに?」
「3人でしたら、そこの家の中で突然姿を消してしまわれましたぞ!」
テルキが言うと、エムは少し考えると何かを察し、そのまま家に向かう
「ど、どちらに行かれるのですか!?」
「皆様、どうかこのお家を全力で守り抜いて下さい!」
「此処が”彼女の最後の砦”です!」
そう告げると、家の中に入っていった。姿が見えなくなる一瞬に
テルキは何か見た
「え、エム殿…?」
続く