これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーー
(ーーーーここはどこ?)
(ーー暗い)
(ーーーー私は、負けたの?)
(ーーこのまま、死んでしまうの?)
アスカは、虚ろな目で周りを見る。しかしその目に映るのは、
何も無い闇「無」そのものの、どこへ行くのかも分からない。
堕ちていく事が分かる。
妖精達が懸命に救おうとした女性から受けた攻撃の体の痛み。
残った命の灯火が、彼女に生きている事だけを教える。死はない。
けれど何もない。その「無」という果てしない絶望が奮起する意志を奪う。
(ーーーー何も救えなかった。何も出来なかった。)
(ーーーー私がしてきた事は、全て無駄だった。)
(ーーーーもう悪夢に溶けてしまいましょう)
(ーーーーごめんなさい、女王様。)
(ーーーーごめんなさいーーーーーロ…………)
最後にある人物を思い描きながら、一筋の涙を流し目を閉じ、その身を委ね
果てしなく続く闇に徐々に飲まれ、彼女の心が悪夢に堕ちていき始めた時…!
「……ス…!」
「ア……カ…!」
(ーー誰かが、私を?)
「「アスカァーーー!!」」
深い闇の中でも通る元気な声、そしてその暗闇をも照らす
2つの小さな光が沈みゆく彼女の元までやってくる。
「ぱ…にゃ…さん。マ…ユミさん…お二人…とも、なんで」
「本当のかいりなら、絶対にしそうな事♪」
マユミがそう言うと、二人で声を揃えて
「「君を死なせやしない!」」
笑顔一杯に言った。
その言葉を聞いて、アスカの顔に笑顔が浮かぶ。
「アスカ、ごめんなさい。頑張って説得しようとはしたんだけど」
「今のかいりに、私達の言葉は届かない…」
二人は、俯き気味に話す。
「もう良いのですよ…さぁ…二人もこのままじゃ
私と一緒に…悪夢に飲まれてしまいますよ」
「ううん…!あきらめちゃダメ!」
「お願い!力を貸して!」
「本当の英雄を…!」
「「私達の親友を助けて!!」」
二人は手を差し出す。強い意志を帯びた妖精達の願いに
アスカは戸惑った。自分自身にもう戦う力は残ってはいない。
そして帰る方法も無い。
けれど小さな体で自分を助けに深い闇の中までやってきた二人。
自分のためにやってきたというのに、自分は何も出来ない。
そんな弱気な事を思った時、彼女の中に熱いものが湧き上がる!
自分でも分からない。強い想い。
ーーーー”まだ終わってない!”
自分のものではない想い。なんで”こんな事を思った”のか?
やがてアスカは思い出す。はじめにシャボン玉に飲み込まれた時の状況を
あの時、”かいり”という英雄を目指す女性の本当の想い・夢・記憶に
触れた事を…いつの間にか自分の中に入り込んでいた彼女の強い心が
アスカにもう一度立ち上がる力を与えてくれる。
ーーーー”勇者はどんな時も…あきらめない!”
その言葉が胸に湧き上がった時、アスカは
何も告げずにその腕の伸ばし、二人の小さな手を取り合った
「・・・・え?…これって…」
「もしかして……始めからずっと…」
その瞬間、突如として闇の中に光が生まれ、3人を包み
とても大きく強い光となって、上へと昇っていった。
○
ー
ーー
ーーー
ーーーー
「フフッ…まさか自分達から、穴に落ちて行くなんて、あたしが手を下すまでも…」
かいりは穴に向かって行こうとした時。
「ん?」
巨大な地響きと轟音ともに、先程開いた黒い穴から
光が噴火するように吹き出した。
吹き出した光は、キラキラした粒子となって散らばり
周りの景色を満たしていく
「何よっ、これ!」
そんな事を言っていると、吹き上がった光の中から
人が飛び出し、攻撃をして来る。
かいりは咄嗟に剣を盾に、受け止め押し返す。
「このっ!」
「…!」
返された人物はそのまま後ろに空中で翻って回転し体勢を
立て直し、降り立つ。

「いったいどういう事…!?…あんた、誰よ!?」
何が起こったのか、処理しきれていないかいりの目に写ったのは
自分と同じ人間、色が違うが似た服装をした姿だった。
名前を問われた者は、静かに剣の柄に手をかけつつ、口を開き
「”2つの光”と”未来の英雄の心”とともに一緒に
”貴女”を救うために舞い戻ってきた…」
腰からレイピアを抜き、振り払い
「アスカ・バンデヒルフェよ!!」
その剣先をかいりに向け、強く鋭く見つめる
続く