これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには透き通った半透明の球体に包まれた
大剣と絵本が浮かんでおり手前には、旅の門のようなものが
出来上がっていた。
「ちょっと失礼…」
ブラオバウムがその門を、しばらくフムフム、ホウホウと
言いながらじっくり観察する。
「これは私も見たことがない術式で作られた門ですね」
「何か違うのか?」
ハじメが聞く。
「この形で組まれた術式は、おそらく
アストルティアには存在しないでしょう」
「じゃあ、使う事はできないと言う事になると言う事かね…?」
「それについては大丈夫です♪
術式は違えど、どうやら場所移動する門であるのは間違いないです。
どこへ行くのかは分かりませんが行ってみるしかありません。」
一通り調べ終わると、魔法陣から離れる
「そうだな、俺が先に行こう」
シュペーアが先陣を切り、飛び込む。それを見て、
追うように冒険者たちも続いていった。
☆
「う…」
激しい戦いがあったのだろう床や柱に深い傷跡がある。そんな中
魔神は不敵な笑みを浮かべ、佇んでいた。対してその前には、
宙に浮いた状態で捕まったアスカが居た。
「どうした?お前達の言う力と言うのは、こんなモノか?」
「な…んて力、さっき戦ったかいりさんとは段違い…!」
懸命に逃れようともがくが、フォームリンクで強化された
力でも抜けることが出来ず、あがくだけになっていた。
「ぱにゃーリンクが解除できないよー」
「私もさっきからしてるけど、アスカの体から
抜け出せない」
妖精達も何が起こってるのか、わからないままに
もがいていた。
「無駄だ、それは我が悪夢の力で作り上げたもの。
何人たりとも簡単には抜け出せぬ」
魔神は目の前で笑みを浮かべながら、眺めるように
見ている
「しかし強大な悪夢を願う声に応え、降臨してみれば
なんとも珍妙な世界に来てしまったとはじめに思ったが…」
「ここには世界の破滅を強く願う強大な意志の力を感じた。
ゆえに、その願いに応え、この世界に進軍し滅ぼそうと決めた」
「やめなさい!そんな悪夢、私が止めてみせます!」
アスカは強く言い返す。
「ほう?この状況でまだ強気に出れるか。さて、余興は十分楽しんだ…
では、破滅の一手としてお前たちを我がしもべにしてやろう」
そう言い、魔神の手がアスカに迫る。
世界の破滅を宣言され、それを防ごうと諦めずに
もがき続ける。自分を縛る拘束は解ける気配はない。
自身に向かって、大きな手が迫る。もがく。しかし
何も状況は変わらない。その心に再び諦めが見え始めた時
「ムッ!」
魔神は何かに気づき、その身を反らす。すると大剣の刃が横を
通り過ぎ抜けていく。
魔神を退けると同時にアスカを捕まえていた拘束も打ち壊され、
解放された。その様子を見ていた妖精達は泣きそうな声を出しながら
「「おかえり…」」
「ただいま!」
そこには、強い願いを胸に明日を見据え、自信たっぷりの
眩しい笑みをした黒衣の女剣士の”かいり”が立っていた。
「かいりさん…」
「もう人を叩き起こすのに、あんなにする?」
ちょっと不機嫌そうな声がして、アスカはそれは…と言いかけた時、
「でも…アスカの言葉、全部あたしにしっかり届いたわよ」
魔神は様子を見ながら、
「一度は我が悪夢に飲み込まれた女が、歯向かうか?
それともまたあの光景を見たいか?」
「だーれが戻るって言ったのよ?」
かいりは手を差し出す。アスカはそれを握り立ち上がる
「マユミ、アスカの方お願い」
「うん!」
ぱにゃにゃんが言うと、繋がった手を伝い
かいりの中へ小さな光が乗り移っていく。そして自分の中を巡る力を
感じながら、魔神をひと睨みする
「確かに、あんたがみせたあの光景は全てアタシが
望んだ夢だったのかもしれない。英雄と呼ばれ、憧れ続けた物語に
登場する勇者や盟友達。ずっとこれからも永遠に語り継がれる存在…」
「人々に尊敬のまなざしを向けられて、称えられる。確かに、
心地はいいかもしれない。悪くはないかもしれない。」
アスカの方を向く
「それに、褒められるの嫌いじゃないしね!」
満面の笑みで言う。それを見て、3人はうれしそうにする
「ならば、女。これからも夢の中で貴様のなりたいものを
見続けるがいい!」
魔神は飛びかかり、その刃がかいりを襲う。
「危ない!!」
アスカが助けに入ろうとした時
「でも!」
と声を張り上げ、その一撃を受け止めた。
「その物語を、アタシは知らない…!」
続く