これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いつまで襲ってこないつもり?それとも力尽きたのかしら?」
挑発するように声をかけると、煙を吹き飛ばし
不敵な笑みの魔神が姿を表す。
「貴様のような強者を前にして、簡単に負ける我ではないッ!」
「未来の英雄たる私があんたなんか倒してやるわッ!」
二人が言うと、同時に踏み出し
互いの刃をぶつけ合う。両者の力は拮抗しており、
一歩も譲らないような、スキの無い攻防戦が繰り広げられる。
その中で、かいりは
「マユミ!アスカがやってたの出来そう!?」
「大丈夫だよ!」
会話すると、剣を持ってない方の手から冷気を宿し
「ヒャダストームッ!」
そのまま突き出す。冷気は氷を形成し、いくつもの刃と
なって、飛んでいく
「何度も同じ攻撃が通じると思うな!」
魔神は双刃を二つに分解し、流れるような剣さばきで
その刃を打ち払っていく。
「まだまだメラゾストーム!!」
今度は火球がいくつも撃ち出されてくる。
「貴様…我を過小評価してるのか?これも!同じことだ!」
言いながら、全て打ち払った。
「我の見当違いか…ならばもう情けはかけぬ!」
魔神が反撃に転じようとした時、懐にかいりが飛び込んでおり
両手剣で斬り上げる直前だった。
「なにぃ!?」
「情け?…そんなものいらないわ!だってあたしは
英雄を目指してる!だから…こんな所で負けてなんか
いられないわっ!!」
「いっけぇー!」「かいりぃー!」
自分の中から妖精たちの応援する掛け声とともに、
床にひびが入るほどの力を込め、剣を振り上げる。
「ガハッ!」
と彼女よりも2倍以上ある体が浮き上がり、魔神は痛みに顔歪める。
「あんたが見せた夢…確かに嬉しかったわ…」
かいりは両手剣の柄を持ち、自分の体の後ろに構える
「…でも違う!あんなのアタシが求めていた”英雄”じゃない…!」
そして勢いを失い、魔神が下に落ちてくる。
「自らの手で紡ぎあげた物語の軌跡がないなら…!」
それに合わせ、かいりの剣の刀身に強い光が帯びる
「そんな”英雄”!いらないっ!!!」
叫びながら、フォームリンクで強化された力と
剣に込めた魔力を自分の前に来た魔神に叩き込んだ!
「グアアアアアアッ!!」
魔神は声を上げ、かいりの渾身の一撃を受け、近くの柱の一つを
破壊しながら、屋上の外へと吹き飛ばされていった。
○
凶悪な魔神の気配が消え、その場に風を切る音がだけが
流れる。かいりが一息つくと、中から妖精達が飛び出してくる
「やったね!」
「二人ともありがと!」
「かいりさん…お疲れ様です」
アスカがヨロヨロと歩いてくる。体勢を崩して、
倒れそうになる所をかいりが駆け寄って支える。
「休んでなきゃダメじゃない」
「そーは言っても、私とマユミがここまで来れたのも
アスカが居たからだよ?」
「そっか…!じゃあ改めて、二人を守ってくれてありがとう!」
と、かいりはお礼を言う。そんな所で、ぱにゃにゃんが
「ところで…アスカ、貴女。いま見た目かいりと似た人間の姿だけど、
どうやって戻るの?」
「え…そういえば、気を張り詰めてて気付いてませんでしたが…
私、人間の姿なのですか?」
3人は頷く。アスカは耳に触れる。指先にムニムニした感触が
伝わってくる。
「わああっ!これは…感じた事の無い感触…です。」
1人で感心して楽しみ始めた。
「ってこらー。1人で納得してアソブなー」
「いいんじゃないのー?その内、戻るでしょー♪」
「そういう訳にはいかないのー」
「でもぱにゃ、さすがにこれは戻ってからの方が
いいかもよー」
「うーそうね…」
と、4人が歩き出した時。背中に何かが刺さるような
感覚に襲われる。
「う…うそでしょ?」
「ぱにゃ…」
妖精たちは、恐怖のあまり振り向けない。
かいりは何も言わずに、くちびるを噛み締めて
振り返ると、壊れた柱の手前に紫の煙が集まり、中には
先程の戦った魔神とシルエットが見えており、こちらを視ていた
「我がここまで追い込まれたのは、久方ぶりだ。だが
逃しはしない…」
4人を無数の赤い目が囲う。そして煙の中から白い手が
飛び出し、捕らえようとする。
「あれ!なによ!?」「きゃああっ!」
妖精達は焦る。するとどこからともなく
「そこまでじゃ!!」
光が4人を包み、周りの赤い目や白い手が一瞬で消し飛ばした。
「なに!?我の力、退けただと?」
魔神が焦っていると
「久しいのぉ?”ダークドレアム”よ」
続く