これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーー
ソウラとシャクラの二人が、それぞれの冒険ばなしを
している頃、リンドウの研究所。
かいりを救出するため、彼女の親友である妖精たちとともに
激しい戦いをしてきたアスカ。途中、詳しい理由は
不明なものの姿が人間となっていた。
それを戻すため、リンドウの元を訪れた彼女は
文字や図形が複雑に入り組んだ幾何学模様の不思議な魔法陣の
中心に立っていた。
「では、体の中に宿っている力を抽出する」
「お願いします」
リンドウが片手を構えて念じ、手を突き出すと
魔法陣が光り出し、アスカの体から少しずつ
薄い水色の小さな光の粒子が吹き出し、徐々に
その目の前で集まっていく。
「異常は無いか?有れば、すぐに中止する」
「今の所…なにも…ないです」
異常はリンドウからも確認されず、作業の進行に合わせ、
彼女の背格好が少しずつ変わり、元の本来の見た目で
ある艷やかなヒレに水色の肌のウェディに戻っていく。
集まっていた粒子の塊もその形を変え、人間の姿の時に
着ていたものと同じ服のようなものへと変わっていった。
「よし…成功だ」
粒子から服が出来上がるのを確認すると
リンドウが手を下げる。役目を終えた魔法陣から光も消える。
アスカがその体を確かめると
「…おお!戻ってます!ありがとうございます!」
耳のヒレに触れて喜んでると、服がふわふわと
手元へとやってくる。それは淡い水色の光を放っていた。
「受け取ってくれ…それは君に宿っていた力を集めて出来たものだ。
着ればまた”同じ力が使える”という保証はないが大切に
保管しておいてほしい」
近くの机においていた本を手に取り、開いて何かを書き始める。
アスカは服を広げ、どんな感じか観察する
「これをもう一度着たら、人間になれるんですか?」
「あぁ、今回は…体に宿っていた本人のものとは違う別の魔力を
違う形にして、外に出しただけだ…それを…」
リンドウの説明を聞きつつ、アスカは広げた服を
持ち運びしやすいように形を整えると
「わかりました。それでは、私はやるべき事が
まだございますので」
お礼を言い、仕事へ向かおうと部屋を出ようとした彼女に、
聞こえるように
「おっと、そういえば総司令殿から”しばらく休養せよ”だそうだ」
と、言われたが困ったような声で
「しかし…調査結果の報告書のまとめや宿の手配など、やる事が山積みで」
あれこれと言い始めたところで、リンドウが振り返り
和らげた言葉で
「今回…かなり無理をしたそうじゃないか?」
と聞く。それを言われた彼女は、言葉が止まる。
「私は医者や僧侶ではないが、体を休めるのも大事だぞ
総司令の事が心配なら、私が見張っておいてやろう」
手にオーレリーを発現させてみせる。リンドウの
やさしそうな笑みを見て、ため息をついて
「分かりました…今日は宿舎に戻って、休む事に
します」
根負けしたアスカは部屋を後にしていった。
入れ替わるように今度はブラオバウムが入ってくる。
「リンドウ師、お願いされた材料。集めてきましたよ」
いつもニコニコした表情で、様々な植物や鉱石が詰まっているであろう
大きめの布袋を前に出した。
「おぉ…すまない」
といい、置き場所を指定して持っていってもらう。
「ちょっと…聞こえてましたが、彼女に休息を
勧めてましたよね」
ブラオバウムの声が本棚ごしに聞こえる。
「あぁ、身体的にも、魔力的にもかなり負荷がかかった状態に
見えた。私の前でも疲労感はださなかったが…」
アスカの状態を説明していると、いきなり本棚の間から顔を出し
「いえ、そちらではなくリンドウ師も”最近お休み”になられたかと?」
「おっ…しっかり休息はとっている。それ以上に解決しなければ
ならない事が多いからな、そうそう休んではいられんさ」
一瞬びっくりしたがすぐに、もとの作業に
取り掛かろうとした時、ブラオバウムが
「休んでいる所は、お見かけしておりませんよ?ずっと
最近、研究所にこもりきりじゃないですか?」
と、聞いてくる
「ん?……別に私は休まなくても大丈…」
リンドウが何気なく返そうとした時、書いていた筆記具を
取り上げられて
「たまには、休んで下さい。そんなに根を詰めては
いざという時に戦えませんよ?」
いつもどおりの笑みを浮かべながら言う
「しかし…」
と何か言いかけたところで、ちょっと前のアスカと同じ行動を
取ろうとした事に気づき、改めて自分の体に意識を
向けると、疲労感が一気に増した。
「そうだな…では休むとするよ」
続く