これは蒼天のソウラの二次創作になります!執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
ーーー本編ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「状況が飲み込めきれてないが、どうやらウサ子の夢の中か
楽しそうだな…このまま見守って…?」
一瞬受け入れそうになった時、彼女の感覚が
不穏な気配を察知した。
「なんだ?…この気配…どこだ?」
それは今の輝かしいこの会場には合わないものであり
異質なものだった。暗い中、会場の至る所に目を配り、
気配を探る。そして、少ししてその位置を把握した。
「まさか…あの」
リンドウが見定めたもの。それはこれから自分の弟子が
受け取ろうとしている”王冠”だった。ウサみんは何の疑いもなく
それをかぶろうとしていた。
「ウサ子!それをかぶるなッ!」
声をあげるが、湧き上がる歓声に阻まれ届かない。
何度も声をあげたり、近くまで行こうとしたが
何らかの力、彼女を阻み続ける。
「くっ…!こうなったら…!」
オーレリー!と自身の魔導媒体を発動する。
会場の中に、ピュン!というレーザー放つ
高い音が突如鳴り響く。
それを聞いた観客の歓声は消えた。静まり還った会場に
小さな金属音が鳴った。それはウサみんにかぶせられようと
していた王冠だった
「いったい何が?」
ねるが焦ったような声をあげる。観客たちもざわめき
誰が王冠を吹き飛ばしたんだ?といった声が響き、
不安がっていた。
「王冠を飛ばしたのは、私だッ!」
声高々にリンドウの声が響いた。ウサみんや観客たちの視線が
声のほうに向き、照明がリンドウを照らした。
「輝かしい晴れの舞台…それを妬む”魔女がここに居た”…
といったら、どうするかな?」
帽子のつばで目を隠し、不敵な笑みを浮かべる。
彼女が発した言葉に観客たちは、大騒ぎになり逃げ出した。
そこへ屈強なタキシードのオーガや男たちが
誰にも被害が及んではいないものの、捕まえるために
リンドウに向かって駆け込んでくる。
「捕まえろ!」「逃がすなッ!」
叫びながら、向かってくる。早くウサみんやねるの元へ
行こう考えていたリンドウも追い払おうとレーザーを撃とうするが、
「モーーンッ!」
先頭を走っていたオーガに、もんもとトンブレロが
たいあたりする。ぬわっ!とよろけながら、後ろの男たちを
巻き込みながら、倒れていく
「お前達!?」
「細かい事はいいモン!お師匠さまは、早くウサの所へ行くモン!」
「わかった!だが、無理はするんじゃないぞ?」
「任せるモン!」
もんもの言葉に従い、リンドウはほうきに乗り、
舞台へ向かっていく。
「舞台は出演者さん以外の立ち入りは禁止です!」
ねるの声が聞こえるが、止まらずに舞台に降り
ウサみんの元へ走っていく。
「わわっ!…魔女さん!こっちに来ないでー!」
「ウサ子!落ち着け!私だ!ここはお前の
夢の中ではないんだぞ!?」
説得するが、リンドウの事を忘れてしまったのか
話しを聞いてないようで、持っているほうきを
ブンブン振り回す。
「こら…!振り回すな!」
「魔女を捕らえろ!」
ウサみんの後ろに居た審査員長が、声をかけると
舞台に向かって、先ほどの男たちが走ってくる。
「このままでは、捕まってしまうか…!」
自分の今居る状況をもう一度振り返る。
ここは”ウサみんの夢の中”であるが、
何かが違うこんな状況にはならない。
それは、弟子である彼女を知る
リンドウ自身がよく分かっている。
つまり夢を見ている本人が思い描ている
通りになっていないという事。そして
最初に自分が感じた気配の大本…。
「そうかっ!」
リンドウは自身がレーザーで弾き飛ばした”王冠”。
それがこの異質な状況を形作っていたと気づいた。
真実に至ったそこからの彼女の行動は早く
飛びかかってきた男たちをスルリとかわし、
王冠が飛ばされた舞台奥まで駆け抜けて行き
「よし!」
”王冠”を手の中に収める。リンドウを追って、
審査員長やウサみん、ねるが舞台上に集まってくる。
「キミッ!その王冠を返したまえ!」
「申し訳無いが…その要求には応じれない!」
そういうと手に持っていた王冠を上に高く放り投げた。
「何を!?」
「お、王冠〜!」
受け取るはずだったウサみんが涙ぐんでいるのを見ながら、
右手にオーレリーを発現させる
「ウサ子……すまない!」
そうボソリと言いながら覚悟を決め、狙いをすましレーザーを
王冠に向かって撃った。
ビュンと撃ち抜かれたその瞬間。金色の装飾はドロドロと
熱で溶けていく。
………その現象と同時に周りにある変化が起こり始めた。
続く