※蒼天のソウラの二次創作です。
「ソレは出来ナイ…君ハ、今すぐコノ体ノ主ヲ返せば
突入部隊-あいつら-が襲ってクルのヲ、やめさせてクレルノ?」
「それは…。」
「出来ないダロウ?……今、君ニハ用ガ無い。ソコをどけ」
リルカの体を乗っ取った何かは、歩みを進める。しかし
それを阻むように、アスカは立ちはだかる。
「だからといって、あなたを行かせる訳には行きません!」
「邪魔ダ…!」
一言だけ呟き、太刀が鋭く振り抜かれる。アスカは後ろに
飛び退いて回避する。
もう一度太刀を振ろうとした時、リルカの動きが止まる。
「い…妹を、斬ら…せない!…… …君、マダチカラを残シテいたんだネ。」
その状況に、アスカは盾を構え、姿勢を低くしてリルカの
腹の辺りを狙ってタックルする。オーガとウェディでは、
大きな体格差があったが、リルカの体勢を崩すのには十分だった。
しかし鍛え抜かれた体と身に備わった技能が合わさり
あっさりと建て直される。
「フフッ…面白イ事を…シテくれるネ!!」
今度はリルカを乗っ取った者はアスカの腹に膝蹴りを打ち込み、
浮き上がった所を左手で、首を掴み地面に叩きつける。
「ガハッ!… …苦しい…!息がッ… …。」
地面に押し込まれながら、キリキリと握力だけで首が締め上げられる。
そのまま上に乗り、両手を塞ぐ。
「オ前は… 直接的ナ血の繋ガリも種族も違うのに、”家族”だ”姉妹”だと
目の前のコイツやもう一人のヤツと仲良シゴッコをシテイルノダナ…」
「うるさい…」
「シカシ、ソノ行為に何の意味ガ有ル?オ前とコイツラノ繋がりヲ
保証スルモノは、コノ世のドコニモ無い。」
「やめろ…」
「オ前と繋ガル者ハ…目の前のコイツデモ、もうヒトリのヤツ
デモ無イ、その目に写るのは関係の無イ者ダ。」
「だまれ!!」
「最初ニ言ったダオウ?キミの返事ハ”いらないんだよ”。さぁ…斬レ。
ソウスレバ、目的は達成サレル…。」
逆らえない意思にのせられ、太刀が振り上げられる。その狙いは
アスカの頭だった。しかし振り下ろそうとした時、再び動きが止まった。
「なっ…!体ガ動かせナイ?」
アスカの首を締め上げていた手も外れる。急に外された拘束に
咳を何度かした後に、息を大きく吸う。
「散々…人の心を覗いて…。知ったような口を聞いて…。
アタシがそのままで居ると思った?感謝するよ…
”体を乗っ取った誰かさん”。おかげでまた…”強くなれた”よッ!!」
突如としてリルカを覆うように、赤黒いオーラが吹き出し
その余波で、黒い何かが体から吹き飛ばされた。
「ナニ…!」
黒いモヤは驚いたような様子を見せた後、睨んだのち
物言わずにその場から消え去った。
それに呼応してか、リルカはそのまま横に転がり倒れた。
肩で息をするように呼吸が速くなっていた。
「お姉ちゃん…!」
「あたしは、大丈夫だ…。それよりもアスカ、お前は大丈夫か?ヤツが放つ
ドス黒い何かに抗うのに、精一杯だったから加減が利かなかったろう?」
「ううん、私も大丈夫。それよりもお姉ちゃん…」
「あぁ、あたしもさすがに今回はどうしようもないから…
正直に話しをするよ…」
二人はそのまま空を見上げながら話していると…。足音が
近づいてくるのを察知する。アスカは、立ち上がり周りを見渡す。
すると、瓦礫の裏からひょっこりとマイカが顔を出した。
「……お姉ちゃん、助けられた?」
「はは…マイカだったのね。うん、助けれた。」
「あたしはこっち…ちょっと力が入らなくて動けないんだ。
肩を貸してくれない?」
立ち上がろうとするが、よろよろするリルカに二人は
補助するように肩を貸した。
「ひとまず、陣地まで帰えろっか」
「…というか、あたし。戻っても良いのかな。」
普段、妹二人の前では傍若無人なリルカには、
珍しく言葉が弱々しかった。アスカも周りの状況を見て、
今回はどうしようも無いと感じていた時
「その事なんだけど…。ロスウィード総司令がね、今回の事は
任せてっていってたよ。…だから安心して戻っても大丈夫だよ♪」
マイカは笑顔で言った。アスカは、ロスウィードが何をするのか
想像できないまま、陣地へ姉を運んでいった。
のちにリルカが暴れたエリアの事は、局地での
小隊と敵将兵グループが戦闘をし相打ちとなったという
報告がなされた事がロスウィードからアスカに伝えられ、
離宮での調査で敵の奇襲で深手を負ったという事でリルカは
作戦から離脱、マイカも連れ添って行ったのであった。
おしまい
最後に、今回のお話はifストーリーです♪
もしかしたらソウラ本編では、まだ二人は離宮で調査を
続けているかもしれません♪