これは蒼天のソウラの二次創作になります。
執筆者の独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が
苦手な方は注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
―本編―
暗い深海を目的地に向けて静かに
潜航するレヴィヤットとレヴィヤルデ。
ロスウィードとの定時連絡を終えて、警戒任務を副艦長に
移譲し、操舵室をあとにして自身の自室に戻り、
休息を取ろうと考えたアスカ。
自室を目指す途中、潜水艦内の細い通路を歩いていた
アスカの耳に小さいながらも賑やかな会話が飛び込んできた。
どこで話しているのかと気になり、小さい音を頼りに
細い通路を探るように歩いていく。そしてその声は次第に
大きくなり、やがて艦内に設けられた談話室と書かれた部屋に
たどり着いた。
扉を少し開けて出入口から顔をのぞかせると
長方形テーブルを囲んで楽しそうに会話しているのが見え、
扉を大きくあけて中へと入り
「何をお話になっているのですか?」
「おう!…これは艦長殿、休憩か?…よかったら混ざるかい?」
元気よく誘ってきたのは、今回の作戦の要の一つ
“前線基地設置”を担うロマンだった。待機している間に
親睦を深めようと、
テーブルを囲み色々と話している内に冒険者同士で
自分の武勇伝や昔話が賑わいを見せていったようだった。
「……という訳なんだが…」
ロマンが説明し終わったタイミングで、シュペーアが何か
思いついたように
「そうだ!副司令官殿にも、何か武勇伝や昔話などありましたら
聞かせてくれないか?もう我々の内では大体、出尽くしてしまって
いたところなのだよ」
「えっ!ええ…うーん…そうですね」
そう促されて考える…頭の中でめぐるのは、
いつもの姉妹とも手紙のやり取りや
”ロスウィードとの初めての出会い”について
語ろうと思い立った時……ふと、昔のある出来事を思い出した。
蘇った記憶を頭の中で思い描き、アスカはこれならと
口を開いた。
「……ひとつありました」
おお!と周りの冒険者たちも期待を膨らませてくれた。
内心恥ずかしさも感じつつ、ためて話すのも良いと
感じたアスカはそのまま言葉を紡いでいった。
「……これは私と二人の姉妹の昔のお話です」
かくして…目的地に行く道すがらの中、若き女性兵士から
語られる”ある小さな三姉妹の物語”が始まった。
続く